*以下は、旧ブログよりの転記です(2009年2月8日付け)。
再度この病について考えてみたく、掲載させていただきました。
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最近マスコミで「遅発性統合失調症」について取り上げられる機会が増え、先日も日本テレビの情報番組で特集が組まれていた。
(番組は)60代の女性が数年前から“誰かが自分を狙っている(殺そうとしている)”という妄想を抱き、いわゆる「迷惑おばさん」となっている実態を捉えたものだが、かなり衝撃的な内容だった。
彼女は電磁波攻撃を受けているので自宅(彼女はアパートで一人暮らしをしている)には帰りたくないと言い、ホテルやファミリーレストランで夜を明かすのだ。
しかもそのホテル等ですら盗聴器を仕掛けられていると思い込み、あてどもなく街を彷徨う。
もちろん、アパートの住人ともいざこざを起こし警察沙汰になっているのは言うまでもない。
実はこの女性は数年前に離婚しており、さらに二人の子どもとも疎遠になっているという状況にある。
(TVの)解説では、「孤独」も遅発性統合失調症の原因になるということだった。
そもそも「統合失調症」とは、以前は「精神分裂病」と呼ばれていた精神疾患で(主症状は妄想・幻覚・幻聴など)発症は10代・20代が多いのだが、近年は遅発性という文字からもわかるように、様々な悩みや孤独を抱えた50代・60代~の発症が増加している。
私はこの特集を見ながら、ある一人の女性を思い出していた。
当時私はカウンター業務に就いていたのだが、そこに50代後半~60代前半とおぼしき女性がやって来て自分の身の上について話し出したのだ。
彼女は「自分は四六時中○○○(←国名)のスパイから尾行されていて、そればかりか電磁波攻撃も受けていて大変だ。」と言い、その話を真に受けた私は驚きながらも同情の言葉をかけた。
そして私の言葉を受けてその女性はさらに饒舌になり、熱弁を(?)ふるったのだった・・・。
なんと、TVの女性の言動とそっくりではないか。
その当時は「変わった人」ぐらいにしか思っていなかったのだが、今思うとこの女性も遅発性統合失調症だったのかも知れない。
彼女とはそれ以来二度と会うことはなかったが、願わくば穏やかなときを過ごしていて欲しい。
このように遅発性統合失調症は、核家族化や希薄な人間関係がもたらす弊害及び環境の変化による心の変化等が引き金になっているようだが(もちろん原因はそれだけでないが)、TVの女性も私が実際に遭遇した女性も共通の思い---耐え難い喪失感と孤独感---があるように思えてならない。
それまでの安心・安寧な状況(生活)の崩壊は、実は年齢が高いほどダメージが大きく受け入れ難いものになっていき、その絶望感がやがては精神を蝕んでいく・・・。
彼女たちの場合も生活環境等の劇的な変化が心の変化を産み、自身のキャパシティを超えてしまったのではないか。
いずれにせよ、現代社会に生きる我われは誰しも心の闇に陥る可能性がある。
心(精神)とは複雑なもので、時としてコントロールが利かなくなる場合があるからだ。
どこかで折り合いをつけていかなければならないのかも知れない。