篠田正浩監督『札幌オリンピック』 | みつ梅の古今東西かべ新聞

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浪曲、歌舞伎を中心に観劇の感想を書かせて頂いております。
拙い文で恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。



『札幌オリンピック』
◎1972年・ニュース映画社連盟作品。配給…東宝、配給協力…松竹。
●カラー、シネマスコープサイズ、166分。
総監督…篠田正浩
脚本…山田信夫、虫明亜呂無、小笠原基生
、富岡多恵子
企画…財団法人札幌オリンピック冬季大会組織委員会
総プロデューサー:田口助太郎
製作担当プロデューサー…釜原武
総務担当プロデューサー…天藤明
技術担当プロデューサー…草壁久四郎
顧問…川本信正
ナレーター…高橋昌也、岸田今日子

1972年に開催された札幌オリンピックの公式記録映画。
選手達の姿がスポーツに造詣の深い篠田正浩監督らしい視点で作られ、『東京オリンピック』と同じく単なる記録映画を越えた人間ドラマとして作られています。

笠谷選手ら日の丸飛行隊の活躍で、日本がスキージャンプで初めて金銀銅を制覇した感動的な表彰、当時爆発的な人気があったフィギュアのジャネット・リンの演技など、札幌オリンピックと聞いて一番に思い浮かべるシーンはもちろん、地味な競技にも目を向け、競技に取り組む選手の孤高さも捉えられています。

私が一番感動したシーンはエンディングです。閉会式が終わり、空撮のカメラが徐々に会場を離れて行き、札幌の夜景を映し出す所に被る佐藤勝の壮大な音楽に胸を打たれました。
サントラ集『佐藤勝の映画音楽』にも収録されていますが、佐藤勝の真骨頂が出ており、音の層の厚さは圧巻です。

映画『東京オリンピック』も冒頭の東京の古い町並みを取り壊す所に感動をしましたし、人と違う所に感動をしております。