どうしてもあれもこれもとなってしまうので、療法別に記述することにしました。
今日は最初に「寛解導入療法その1」を説明します。
急性前骨髄球性白血病の急性期から抜け出し寛解状態に至る初期治療
が寛解導入療法です。 白血病における寛解とは、
・骨髄検査で白血病細胞が5%以下となり、
・血液検査でも白血球、赤血球、血小板が回復していて、
・さらに、体の他の部分にも白血病のかたまりなどが見つからない
状態のことをいいます。 免疫力が復活して普通の生活が可能になります。
しかし、がん細胞はまだ数多く残っていて、治療を放置すると再発する
状態で、引き続き 地固め療法、 維持療法 などの化学療法を行ったり、
場合によっては 造血幹細胞移植 を行う必要があります。
(担当医からの説明及び信頼できるJALSGのHP情報から記述しています)
私の 入院時の数値データです
血液検査結果
白血球(WBC) 1300(低い) (正常範囲 3590-9640個/μL)
好中球 377(低い) (正常範囲 41.2-74.7% ⇒ 1480-7200個/μL)
赤血球(RBC) 374(少し低い) (正常範囲 400-552 10*4個/μL)
ヘモグロビン(Hb) 12.1(少 し低い) (正常範囲 13.2-17.2 g/dL)
血小板(PTL) 7.4(低い!) (正常範囲14.8-33.9*10E4/μL)
前骨髄球(癌化細胞) 13個 本来い無いハズの異常細胞が血液の中に存在
骨髄検査結果
前骨髄球は 白血球の1種類である好中球に分化成長する過程での状態を言い、正常状態では骨髄の中で
造血幹細胞⇒前駆細胞⇒骨髄芽球⇒前骨髄球⇒骨髄球⇒好中球へと分化成長してから血液へ出ていきます。
骨髄芽球 1.3%
前骨髄球 24.0% 異常増殖! 骨髄中1/4まで増殖
骨髄球 6.0%
後骨髄球 3.0%
好中球桿状核 6.7%
好中球分葉核 9.0% 合計50%
好中球関連のガン化細胞が骨髄内の50%を占めてるところまで増殖している状況とも判断できる。
他の細胞が正常に分化成熟できない状況が発生し始めている。
自覚症状
自覚症状は一切ありません。内出血、めまい等もありませんでした。 しかし
白血球(好中球)も大幅に減少しており免疫力も落ちていますし、血小板は輸血が必要なレベルまで
減っていました。採血した5月19日から僅か4日ですべての血液成分が正常最低値を割っており、
急速に悪化していました。 でも自覚症状は無いのです。これが怖いですね。
診断
血液(赤血球、白血球(好中球、単球、好酸球、好塩基球、リンパ球)、血小板)は全て、骨髄の
中で作られています。脊髄、胸骨、肋骨の骨髄内で生産されます。
骨髄検査データは前骨髄球が24%存在しており、これは異常な状態。
前骨髄球が遺伝子異常でガン化し、増殖暴走し始めている。 血管内にも本来は無い前骨髄球が
漏れ出している。骨髄内の造血能力は上限があり、癌化細胞が増殖すると他の細胞が正常に分化
成熟するのを妨げることになり、血液中への供給が減少します。 一方で、各血液細胞は夫々寿命
があり、次々と骨髄で生産して供給されないと減少して生命を維持できない仕組みとなっています。
(アポトーシス) 各血液の寿命は赤血球:約120日、リンパ球:数日~数年、血小板約7~10日、
好中球:1日~数日 で死滅。 血中では寿命の短い細胞から急速に減少することになります。
急性骨髄性白血病はこの仕組みで急速に悪化するので、早期発見、早期治療開始が重要です。
血液データ、骨髄データはこの仕組み通りの状態を示しており、「急性前骨髄球性白血病」の診断
が確定しました。
治療
初期治療は入院した2014年5月22日から6月15日までの25日間でした。
治療は急性前骨髄球性白血病の特効薬で分子標的薬である
ATRAベサノイド(レチノイン酸 活性型ビタミンA)を毎日食後に経口服用
するだけです。 癌化細胞の勢いが強く、治療薬が抑えきれない場合は
血中の状態が急速に悪化しますので、その場合は抗がん剤投与も併用
することになるので、何時でも点滴が可能なよう心臓へ戻る静脈への
カテーテル挿入も行われました。 もちろん部屋は無菌室の中で、面会も
家族のみの限定でした。 副作用は全く無く、自覚症状は元気そのものの
なのに、部屋から出ることもできず、スマホ、PCとリハビリ用自転車漕ぎ
だけが友達で過ごす日々でした。 しかし、血液、骨髄の状況は上記の通り
であり、随分とギャップがありました。 (つづく)
