自宅療養はあっという間に終わり、再び入院生活が始まりました。

前にも書きましたが、今回はかなりしんどそうな治療になりそうです。

 

再入院2014年8月4日(月) 血液検査データ

正常な白血球3590-9640 /μL            →3490復活

好中球41.2〜74.7%1480〜7400 /μL  →1710復活

正常な赤血球400〜55210E4 /μL       →422復活

ヘモグロビン 正常13.2〜17.2g/dL       →   14 復活

血小板 正常14.8〜33.9 10E4/μL       →   17.8 正常範囲

 

血液データは上記のように正常値に戻りましたが、早々に骨髄穿刺を胸骨から実施。

後で聞いた話なのですが、当時は肥満体形もあって、腹ばいになって後ろからお尻の

横(腸骨)から穿刺するのでは針が届かない可能性が高いので、仰向けで胸骨から

穿刺したそうです。 穿刺箇所は手術時のように緑色の布で覆われていて見えない

のですが、麻酔、穿刺の様子が視野に入るので中々怖いものです。 

何回やっても慣れませんね。 でも麻酔注射が一番痛く、穿刺自体は恐怖感から

痛い と錯覚しているような感じです。

やはり肥満は良いことは無いですから、皆さん気を付けましょう( ´艸`)

 

 検査機関に出し遺伝子検査を行ったところ、定量検査(顕微鏡)で白血病細胞は0%で、

血液学的寛解は維持されているが、詳細検査(遺伝子検査)ではPML/RARAキメラ

mRNAが陽性を示しており、分子学的寛解とは言えず。この段階では未だ再発の

可能性があることがわかりました。

 

PML/RARA遺伝子は 前骨髄球性急性白血病の直接原因である15番染色体に

あるPML遺伝子と17番染色体にあるRARa遺伝子が転座し融合したPML/RaRa

キメラ遺伝子によって引き起こされます。 検査は 定期的にこのPML/RARAキメラ

遺伝子を コロナ感染で有名になった PCR検査で精査します。

 

今回は 消化系、肺がんなどにも使われる 抗がん剤シタラビン(キロサイド)を点滴

で6日間、白血病用抗がん剤ダウノマイシン点滴を3日間実施しました。

副作用としては 発熱、心疾患、食欲減退、吐き気、脱毛等があるのですが、抗がん剤

点滴を行う前には吐き気止め点滴を行うことで、洗面器を抱えて吐き続けるということは

無く過ごすことができました。 医学の進歩のおかげですね。

(抗がん剤点滴 毒々しい色ですね)

(おしっこも真っ赤です)

 

血液の各種 数値は抗がん剤投与中はあまり変化せず、点滴終了後に大きく減少

します。しかし、食欲の方は3日目からは減退しはじめ、食事が近くに来るだけで

臭いにやられてしまいました。こんな時は味が濃い食事を奥さんが病院外から買って

来てくれ 随分たすかりました。 すき屋の牛丼、カレーには感謝です。

僕の奥さんは一日も欠かさず見舞いに来てくれ、お弁当を運んでくれました。

感謝してもしきれないほど 感謝しかありません。

 

抗がん剤点滴終了時(開始6日目 8月10日)血液データ

 正常な白血球3590-9640 /μL           →3190 減少が少ない

 正常な好中球41.2〜74.7% 1480〜7400個 /μL→2647pcs増加!

 正常な赤血球400〜55210E4 /μL          398減少が少ない

 ヘモグロビン 正常13.2〜17.2g/dL            →   12.9 少し減少

 正常血小板14.8〜33.9 10E4 /μL           →16.9  減少が少ない

 発熱は無し、食欲は無く、身体の浮腫み発生

 

抗がん剤点滴6日間が終了してからは暫く大きな変化はりませんでしたが、

点滴終了から3日目(8月13日)には、寿命が短い白血球、好中球、血小板

が急速に減少を始め、免疫力、凝固作用の低下状態になりました。

又、抗がん剤点滴開始で食欲が無くなり一週間程継続したことから、栄養剤点滴

も行われ、身体の周りの点滴本数が確実に増加していきました。

 

抗がん剤終了後から下痢症状が現れ、終了4日目の8月14日の深夜に発熱症状

が現れました。 発熱すると静脈から大量の血液を採取され感染症による発熱か

どうか調べられます。この時の注射が一番大きかったのでびっくりです。

結果この症状は抗がん剤副作用によって発生する症状で、感染症では無いと

判断されました。 発熱によって免疫機能が働き白血球、好中球が更に消費され

免疫機能消失に繋がる為、抗生剤点滴を朝夕実施することになりました。

急な発熱に対しては、解熱点滴が良く効きました。

 

血液データの変化を記録していましたので参考に添付します。

抗がん剤点滴終了の10日目(8月20日)辺りから数日が数値が最低値

となり、ほぼ免疫力が無い状況でした。

 

8月20日 抗がん剤点滴終了10日目 血液検査データ・・ほぼ底の状態

正常な白血球3590-9640 /μL               →370 ほぼ無い状態

好中球41.2〜74.7%/1480〜7400個 /μL→40~20個 ほぼ無い状態

正常な赤血球400〜55210E4 /μL       → 370 細胞寿命が長いので減少は少ない

ヘモグロビン 正常13.2〜17.2g/dL      →  11.7     同上

血小板 正常14.8〜33.9 10E4/μL      →  1.3 ほぼ無い状態

 

特に血小板は8月17日、18日辺りで、正常最低値14.8に対して、

0.7となり、輸血が必要なレベルまで低下したことから、8月17日には

貴重な献血製剤輸血をすることになりました。ちなみに血液型はAB+です。

(血小板数値が5.0付近で輸血が必要と判断するとのことです)

 

しかし、 輸血開始まもなく全身に強いアレルギー症状(赤い発疹、全身痒み)が現れ

急遽中止することになってしまいました。でも少し血小板数値は改善。

血小板 輸血製剤 黄色だ!

 

全身に発疹発生!

 

二日後には血液製剤からアレルゲンを洗浄した輸血を、副作用を抑えるステロイド点滴

と一緒に実施し、アレルギー発生を回避して成功しました。

アレルゲンを洗浄した血小板血液製剤  白い!

 

輸血から5日後(8月22日)には血小板の数値が9.4まで回復したことから

血小板輸血から脱出することができました。

血小板の数値が回復したことから、万が一出血した際の止血に対する危険は

回避できました。

 

が、今度は白血球(好中球)が最低値となった為、免疫力が失われてしまい

口の中全体(特に歯茎)が炎症状態の口内炎となってしまいました。

白血球中で40%~75%を占める好中球が減少すると、感染症から身体を守る

ことが出来なくなり、重度の感染症に至る危険性が増します。

その為、8月22日午後からは2回目の発熱(38度)となりました。

 

自己免疫力が無い代わりとして、抗生物質点滴を朝・夕で5日連続で

実施することになりました。 口内も清潔に保つ必要がありますので、麻酔効果

のあるうがい液を処方され、必死にうがいで乗り切りです。 

歯磨きは歯だけでなく、舌苔みがきも必須でした。毎朝看護師さんから舌をチェック

され、磨き方指導の日々です。この辺りが一番しんどかった日々です。

でも、4人部屋から無菌室への移動は無く過ごせたことは、これでも生命の危険性

は無かったということでしょうね

 

脱毛は抗がん剤点滴終了後7日目辺りから始まり、指でつまむとそのまま

抜けてくる感じです。 一時退院前には院内の理髪店に行き丸刈りしました!

良くドラマでやっている、帽子を被った白血病患者の状態です。

 

白血球(好中球)の存在が 身体・免疫力にどう影響するのか身をもって経験。

血小板の存在も 異常に低下すると 体中に内出血症状(止血できない)

が現れることや、数値が回復し下限値を超えるだけで症状が現れないことも

経験することができました。自分の体で人体実験しているようで 妙に自分で

なるほど こうなるのか・・・などと感心しているもう一人の自分がいました。

不思議な期間でした。

 

又、定期健康診断で血液検査の結果が正常範囲に入ってなくても、

下限値の半分ぐらいまでは 大丈夫そう だと理解できました。

(医者にクレームを言われそうですが・・・・)

 

抗がん剤点滴終了から17日目(8月27日)になると、血液中の数値が急速に

回復し始め、この厳しい治療を終えることができました。

 

8月27日(月) 血液検査データ

正常な白血球3590-9640 /μL               →3770復活

好中球41.2〜74.7%/1480〜7400個 /μL→1957個 復活

正常な赤血球400〜55210E4 /μL    → 364 復活

ヘモグロビン 正常13.2〜17.2g/dL   →   11 復活

血小板 正常14.8〜33.9 10E4/μL   →   45.2正常範囲

 

8月30日(土)には 骨髄穿刺(マルク)実施し、そのまま一時退院!

抗がん剤治療開始から26日間の治療期間でした。

 

9月4日(木)まで束の間の自宅療養です。 解放感でホッとする瞬間です。

 

骨髄採取後の検査では

 ・定量検査(顕微鏡検査)では正常。白血病細胞0%。

 ・遺伝子検査データではPML/RARaキメラmRNAが 「陰性」 を示し

  染色体異常無しの判断。

 ・血液学的完全寛解(顕微鏡検査)、分子学的完全寛解(遺伝子検査) 

しかし、これでも白血病細胞はまだ身体の中に残っている可能性が高く

再発の危険性があります。 標準治療では 次の抗がん剤治療ステップに

移行します。 まだ終わらない!  

 

(つづく)