ありあまるごちそう | Karte

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日々の食生活と たまの映画 そしてスローペースな読書

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WE FEED THE WORLD
監督 エルヴィン・ヴァーゲンホーファー/ '05製作
96分/オーストリア
http://www.cinemacafe.net/official/gochisou/

世界が飢えていくメカニズムがわかる「社会見学 ヨーロッパ編」

人類は今や120億人を養えるだけの食料を生産しながら、毎日10万人もの人が飢え
死にし、現在10億人が栄養失調になっているという現実
これは飢えではなく殺人なのではないか?

貧しいアフリカ移民が育て3000キロメートルの旅を経て市場へ出荷されるスペイン
のトマト
ウィーンで毎日捨てられている膨大な量のパンの山は、グラーツ市民の1日のパン消
費量に匹敵するという
国民所得世界第2位のスイスは、パンの原材料の4/5はインドからの輸入に頼ってい
るが、そのインドでは2億人以上もの人々が栄養失調に苦しんでいる
他にもフランスの大型漁業船による魚の乱獲の問題や、オーストリアにあるブロイラ
ーの親鳥の飼育工場では、週40万羽ものひよこを育てても利益は薄く、今やアジアや
南米の養育業者に取って代わられようとしているとか...

大量生産の悪影響で不透明な流通と、その先にある世界各国で飢えに苦しむ人々が後
を絶たないという現実
徹底した利益流追求とコスト削減が生んだ流通のグローバル化が、世界の需要と供給
のバランスを崩し、貧富の格差が大きく広がっていく

フード・インクとはまた違ってより強烈なインパクトが...特にブラジルの北西部だった
かな(?)の食糧難の状況には目を疑った
世界一の残飯大国に住む者として...食に困らない日々に感謝するとともに、今後どのよ
うに考えるべきなのかと考えてたら、なんとなくこの映画観てから手が止まってしまい
2ヶ月半が過ぎてしまった
日本政府の援助も大きな事だけど、世界がひとつであるのなら、少しでもフェアなトレ
ードを!その為の物価高なら受け入れられるし、そして、その上で大きな利益を追求し
てほしいと願うばかりである

シアター イメージフォーラム