♪キミを守ってみせるよ~

♪ずっとボクが守るから~

【守る】

古今を問わず、j-popのラブソングには欠かせない常套句だ。

歌詞の上では、具体的に何から「キミ」を守るのか不明な場合が多いが、とにかく「守る」という心意気だけは声高に歌いあげられる。

寝込みを脅かす肉食獣の襲来などが想定されない現代において、この「守る」には一体どういうメッセージが込められているのだろうか?


「守る」は、女性のお姫様願望をくすぐる絶妙なフレーズである。
言われた女性は何か漠然とした安心感のようなものに包まれた気になるのだろう。

甘えを許してもらえる、
わがままを聞いてもらえる、
悪いこともしても怒らないでいてくれる、
無条件に味方してくれる、
なぐさめてくれる、

そんなところか。


どう受けとめるかは自由だが、「守るよ」とのたまう男子側の真意は全く違うところにあると断言できる。

女子に向かって「ボクがキミを守るよ」と男子が言ったとき、これは「ボクがキミの貞操を独占するよ」という意志宣言だと考えてほぼ間違いない。

♂:キミを守るよ
♀:嬉しいわ

このやりとりはつまり、

〈貞操はボクだけが占有するよ〉
〈じゃあワタシをお姫様扱いしてね〉

と翻訳できる。

協定の締結である。

今後、安っぽいj-popのラブソングに「守る」が出てきたら、上記のように変換しよう。