「対応のマニュアルだけを身につけて、それで処理するものだから、相手の様子を探りながらつきあうという、社交の基本ができていない。(森毅)」

常々感じることだ。
顕著なのはコンビニやMドナルドの店員。

早口で平坦で無機質。発するセリフに間違いはないが、温もりや心使いもない。
「それの何が悪い」と言わんばかりのドライな振る舞いは、こちらにもマニュアルに合わせた行動を強いるかのような威圧感を持つ。

合理化・効率化を極限まで追求した資本主義経済の負の産物か。


年寄りにはツライだろうなぁといつも思う。
聞こえないし、聞き取れないし、ついていけないし、理解できないだろう。

何が「スマイル:0円」だバカヤロウ。


そこで発案。
ハードもソフトも、完全に高齢者だけを対象としたレストランがあれば、きっと流行るだろう。

60歳以下は入店禁止。

店内は静かで、あくまでも大人のオシャレな雰囲気。
バリアフリーで清潔な内装と重厚な調度。
必要に応じて送迎も行なう(別料金)。
メニューは大きな字で分かりやすさ重視のレイアウト。
減塩料理や糖尿病食のメニューもあり、管理栄養士が献立する。
もちろんホール担当者には接遇と社交のあり方を叩きこむ。

…アイディアは尽きない。

品と質と敷居の高さに徹底的にこだわって、世の若輩者らに「いつか歳を取ったらあのお店に行きたい!」と思わせる。

こんなお店で、シルバー夫婦がディナー1~2万円なら絶対出すと思う。
高すぎず、安すぎない価格設定。
ボクなら年に2~3回の贅沢に、妻と行きたい。

バブルで溜め込んだマネーは、合理化や効率化にはきっと落とさない。だって老いは不合理、年寄りは非効率的だもの。

宝くじで5億円当たったら、電通か秋元康にプロデュースを頼みに行こう。