フジテレビのドラマ『BOSS 』がおもしろい。


以前見ていた「パズル」は、見なければよかった、と思った。

ついこないだまで見ていた「VOICE」は、見なくてもよかった、と思った。

「BOSS」は今のところ、見始めてよかった、という感想だ。


先日放送された第4~5話には、山田孝之が犯人役として出ていたのだが、ここ最近彼から目が離せない。

さわやか系好青年の路線で露出が多くなったのは何年くらい前になるだろうか?

たぶんボクが最初に認知したのは映画「Water Boys」だったと記憶する。


行雲流水-yamada

透明感のあるかわいらしいルックスは多方面で重宝され、その後もドラマ・映画など活躍の幅を広げていた。


ところがここ最近の彼は、ものすごい急ハンドルで方向転換を図っている。

「イメージチェンジ」と呼ぶにはあまりにも大きすぎる振り幅、もはや別人である。


行雲流水-yamada

ボクは「みなさんのおかげでした」で初めてこの風体の彼を観察したのだが、率直に「病んでるな」と思った。

何があったのか知らないが、キャラクター付けもこの風体をなぞるような演出。しゃべり方、態度、目線、トークの内容等々、実に痛々しかった。

しかしこのケースの「痛々しさ」は、例えば中山秀征やTOKIO松岡を見たときに感じるような「慢性痛」とは異なる種類のものである。

メンタルの不安定さと内面の葛藤・迷いからにじみ出るような痛み―、炎症の急性期、あるいは成長痛とでも言うべきか。

いずれにしても、まだヒリヒリとした真っ赤っ赤な状態の疼痛といった印象だ。


大人になってさわやか路線から脱却したくなったのか、あるいはそもそも彼がこういう個性の持ち主だったのか。それはわからない。

ただ今のままその道を進んで行けば、3年後くらいにクスリで逮捕され、世間から「あぁやっぱりね」と思われることになるような気がしてならない。


これが彼の終着点でないことを願う。