都会って、何がそんなにありがたいんだろう?
ボクは埼玉の片田舎に自宅を持ち、勤めは23区内。まぁ田舎と都会の両方が生活の拠点といえる。それなりに双方の良し悪しを痛感することも多いが、ほとんどの点で「田舎優勢」だと思う。

都会は道が狭い。人が多い。車が多い。物価が高い。自然が少ない。家が小さい。街が汚ない。空気が汚ない。

一方田舎は上記全ての面で都会よりも「良」だ。土地が安いから家も広く作れるし、自然や緑が多く空気がキレイだから子供を育てる環境としてもベターだろう。人も車も少ないから色々な意味でのびのびやれる。生活に必要なものは都会と変わりなく手に入れることができるし、何より今はネット文化が普及した世の中だ。情報的にも物質的にも、都会と田舎の距離はひと昔前よりグンと縮まっている。いや、むしろ田舎の方が買い物はしやすいのではないか?「赤ちゃんホンポまで車で40分かかった。」とか「新宿で買った電化製品を超重たい思いをしながら電車で持ち帰った。」など都会にお住まいの方々の話を聞くと心底気の毒に思う。我が家からならどちらも車で5分である。

ただひとつ、田舎では「競争・淘汰」の市場原理が働きにくいという難点がある。これはやはり否めない。サービスも味も悪い飲食店がいつまで殿様商売をしていたり、店員の態度がそもそも客商売というものを理解していない状態だったりする。
競争がないから危機感がなく、ライバル店が現れないから淘汰もされない。こーゆー現象は間違いなく田舎の方に多く、都会にはやはり洗練された店が多い。

ところで、飲んでる席などでこの手の話しになることもしばしばある。田舎者vs都会人みたいな図式のディベートだ。「都会人」といっても所詮は都内で一人暮らしをしている地方出身者だったりするわけだが、ボクが「都会よりも田舎がいい」と言うとほとんどの場合それは「田舎っぺのヒガミ」として受け取られる。価値観の差の問題ではあるが、「都会妄信主義者」の前にはどんな理屈も通用せず、それはまるである種の宗教に属する敬虔な信者に異教を唱えて説き伏せようとするがごとくである。また、人種差別や部落問題の根幹のようなものを見た気にもなり、ちょっと萎える。

結局、最近はこの話題には乗らないことにしている。不毛に終わり徒労を感じるから。
双方の良し悪しを吟味して理論的に考えた結果、都会は「行くところ」、田舎は「住むところ」ってのがボクの結論だ。

ちなみに「田舎者」とは「おばさん 」という言葉同様、その人間の属性ではなく性質や気質を現す言葉だと思う。