電車でR教大学付属小学校の生徒たち4人組と乗り合わせた。
ひとりは優先席に座り、その他の子は床に座り込んでいる。シールの貼り合いなどに興じている彼らは、ランドセル等がとなりに座っているお年寄りに何度ぶつかっていてもお構いなし。揺れる車内でノートや鉛筆を振り回したりもしていて、お年寄りは迷惑そうというより、危険におびえているようなご様子だった。
ボクを含め周囲の乗客たちも大いに迷惑しており、さすがに注意を促そうかと思った。が、直接ボクに危害がおよぶことがなかったため、注意する機に恵まれなかった。

何とか制裁を加えたいと悩んだ末、彼らの写メを撮った。
そう、学校にチクってやるためだ。

帰宅すると、さっそくパソコンに向かった。R教小学校のホームページから、メール送付先を発見。写メを添付して、事の顛末をしたためた。

『持っていたノートを見ると彼らは5年生の生徒だったようです。公共の場におけるマナーやモラルについて、もう少し理解があってもよいのではないでしょうか?皮肉を述べるつもりはありませんが、名のあるR教の生徒であってもこの程度かと非常に残念に感じました。教員の先生方やご父兄の方々も、公共の乗り物を利用して通学するにあたっての注意を与えているものとは思いますが、いまいちど´勉強だけできても社会では通用しない´という点を、生徒たちに指導していただきたいと思う次第です。』
ってな感じだ。
「皮肉を述べるつもりはない」言いながら皮肉たっぷりの論調。我ながらいやらしい性格だ。

後日、校長先生から返信が届いた。
おおまかな内容はこうだ。
『ご連絡いただきありがとうございました。全校に呼びかけましたところ、4名の児童が名乗り出、車中での態度に問題があったことを素直に認めました。厳しい指導と家庭への連絡、児童自身には、反省文を書かせ、二度と人様にご迷惑をおかけするような態度をとらぬ事を約束させました。同時に全校児童にも呼びかけ、今回のこの児童たちの失敗を自分のこととし、公共の場におけるマナーについて、今一度襟を正すよう申しました。車中の方々、特にお年寄りの方々にご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。』
とのこと。

結局、いい学校だな、と思った。
今度同じような場面に遭遇したら、直接注意しよう。