ネット上から色々なMP3ファイルをタダでダウンロード できる技術を手に入れて以降、音楽との付き合い方が変わったように思う。

まず良い変化。

今まで自分の趣味じゃなかったジャンルの楽曲をたくさん聴くようになったこと。

以前はTSUTAYAなどで買ったり借りたりしていたので、あまり冒険はできなかった。コストがかかるから。「ジャケ買い」も数えるほどしかしたことがないし。

しかしダウンロードは何しろタダ。良さげだなと思ったら手当たり次第にファイルをゲットしてみる。そして聴いてみて「ダメだこりゃ」だったらパソコンから削除すればよい。

最近は「ジャズってカッコイイな」と思っている。以前なら絶対に足を踏み入れないような領域。ジャズはCOOLだ。

幅は広がった、しかし一方で悪い変化も。

音楽を粗末に扱うようになった。深く愛さなくなった。

色んなアーティストのニューアルバムとかもちょくちょくダウンロードするんだけど、何かあんまり聴かないんだよね。そして持ってること自体忘れちゃってたりする。

「ならダウンロードするなよっ!」ってまさにその通りなんだけど…。所有すること自体が目的なのかなぁ?それとも投資してないから愛も沸かないのなかぁ?自分でもよく分からないけど、いずれにしても以前なら絶対あり得ないような贅沢で冒涜的な振る舞いである。

中学の頃なんかはナケナシの小遣いで買った米米CLUBのCDとかを火が出るほど聴いたなぁ。懐かしい。

広がったぶん、ひとつひとつを深く愛さなくなった、ということか。好きだからこそ追い求めたはずなのに、手に入れたことでその存在をかえって軽んじるようになってしまった、と。 例えるなら、カリン塔のてっぺんには実は何もなくて、それに登ること自体が修行そのものだった、みたいな。

あれ、この例え違うな。