「全然おいしい」
「全然明るい」
これらの日本語って正しいと思います?
おかしいと思うよね、普通.
「全然」のあとには「~ない。」という否定文がくるべきでしょう.
NHKがコレについてアンケートを行ったところ、80%くらいの人が「おかしい」と答えたそうです.そうだろうそうだろう.
しかし年代別にみてみると、10代・20代の人はなんと50~60%の人が「正しい」と答えたとのこと.
「トホホ、最近の若者は言葉を知らんなー」と嘆いたアナタ、早合点することなかれ.
夏目漱石や森鴎外など、過去の文豪の作品の中にも「全然+肯定文」は実は多々出てくるのです.
「全然、飯と肉に集中しているようだった。」(夏目漱石・「それから」)
「全然できている。」(森鴎外・「灰燼」)
などなど・・・.
現在のように「全然+否定文」が正しい使い方として定着したのは、第二次世界大戦以後のこと.つまりごく最近.それまで明治・大正の頃までは「全然+肯定文」がむしろ一般的な用法だったようだ.
「全然」とは、「全く、然(しか)り」という意味からできた語.
そう考えると、「全然+肯定文」は間違いとは言い切れない気もしてきます.
言葉とは、時代とも揺れ動くものなんですねぇ.