たまに「何でこんなCMが社内の企画会議で通ったんだ?」と思わせられるCMがある。

社内の企画部が作ったにせよ、外注したにせよ、結局それが社の利益を産むと判断をした人間がいるわけである。それは自分の社がどう見られるか、あるいはどう見られたいかということの表れであり、いわば社の思想や理念の象徴ともいえる。

と前置きしたところで、今回取り上げたいのは予備校の「みすず学園」のCMおよび広告だ。
本当に一体何なんだあれは?
「ヤマトタケル」や「ヒミコ」を実際の役者に演じさせ、全面にそれを出している。それも腹が立つくらいリアルな映像化だ。
大学受験と日本史、関係がないわけではもちろんないが、しかしなぜそこにこだわるのか?

しかも見出しはあの有名な名文句、「怒涛の英語」である。なんじゃそりゃ!?最低限日本語として意味をなすつもりなら「怒涛のような英語指導」だろう?

「CMはヤマトタケルでいきましょう!」というプレゼンが通った経緯が本当に理解できない。「これで生徒が集まる」と判断した経営者がいるわけだ。ボクが大学の試験官なら「みすず学園予備校出身」というだけで落とすね。「キミはあんな宣伝やっちゃうみすず学園に行っちゃうようなセンスの持ち主なんでしょ?」と確認したうえでお引き取り願おう。
「奇をてらう」「裏の面白さ」「負の印象を残す」みたいな意図があったと仮定しても、そのマヌケなあざとさも含めてみすず学園は完全否定したい。