昨夜、自宅の近所に新しくできた散髪屋に行ってみた.

「やまと&なでしこ」というナイスセンスな店名に一抹の不安を覚えたが、思い切ってドアを開ける.

理容と美容が併設されており、店内は清潔でポップな印象だ.悪くない.

若い兄ーちゃんが淡々と散髪してくれる.

鏡越しにあちこち見回すと、店長らしき人物が目にとまった.

何か見たことあるな、あの社交ダンスが上手そうな腰つき・・・.

そうだ、あの人はその昔ボクと友人 が定番としていていた床屋「ハンサム」の店長に違いない.


予感は当たった.

兄ーちゃんの話によると、この「やまと&なでしこ」は今年の春頃この場所に移転してきて、その際に「ハンサム」からと名前を変えた、とのコト.

ナイスなネーミングセンスは今も健在である.

そう、五分刈り以外のヘアースタイルが許されなかった高校時代、ボクは「ハンサム」の常連だった.

アシスタントお姉さんがかわいくて、友人とよく妄想を膨らませたものだ.

懐かしすぎて、目頭が熱くなった.


そして今、ボクは自由に髪型を注文できる(本数の許す限り).

大人になったものだ.

大人になりすぎてしまったのか、なぜか今回生まれて初めてアイロンパーマをあてられた.

略してアイパーである.

兄ーちゃんの話に素直に応じていたら、なぜかそういう展開になった.

はっきり断れない自分がつくづく不甲斐ないと思う.


できあがりは、営業回りに疲れ切った、売れない演歌歌手のようになった.

どんなに高く見積もっても、山川豊がいいとこだろう.

絶望的だ.

五分刈りのほうが、まだマシか.