野球解説者の栗山(元ヤクルト)。
プロ野球出身者の中では知性と教養のある方だと思うし(cf川藤・元阪神)、どことなくさわやかで上品な雰囲気も漂う(cf金村・元近鉄)。
が、どーも奴の解説は何を言ってるのかよく分からない。
流暢にペラペラと語っている割に、サラッと聞き流すと内容が全く頭に残らないのだ。
「えっ!?結局何言ってたん?」みたいな。
そんなはずはないと思って何度か真剣に耳を傾けてみたが、それでもやはりよく分からなかった。
なぜか?
原因は奴のサービス精神にあるとみた。
基本的に栗山は聞かれたことに対して率直に答えない。
質問に対する回答のなかに、自分なりの意見や精神論やプチ情報などを必ずと言っていいほど盛り込んでくる。
そしてそれらが時に過剰になり、無理に尺に納めようとして早口になってしまう。で最後まで論旨は見えないまま。
加えて、奴はセリフっぽくしゃべる。「さわやか情熱」という御旗のもと、何でもかんでもあの暑苦しいセリフ口調で語られると、生理的な嫌悪感からかボクは無意識に耳にフタをしてしまう。
質問に端的に答えず早口で論旨は不明。そして暑苦しい。最悪である。
栗山にしてみればきっとこれらの特徴は自分の個性であり、それは仕事としての責任感やサービス精神に裏打ちされた「良さ」だと認識しているのだろう。しかし残念ながら、それは違う。
こっちはアンタの授業を聞きたいわけじゃない。ビール片手にのんびりと野球を観たいんだ。アンタの言葉に一生懸命耳を傾けようなんてハナっから思っちゃいないんである。サラッと聞き流しても頭に残る端的で硬質で冷静な解説をこっちは必要としてるんだ。そーゆー解説者がまれに見せる熱気の中にこそ、求心力が生まれるはずだろう。
ということでボクもだんだん熱が入ってきちゃってるわけなんですけど、栗山の熱意やサービス精神が生かされるフィールドは少なくとも野球解説という場ではないと思う。講義とか講演とかそっちの方だろう。
ちなみに、相手にうまく話を伝えようとしたときの最低限の基本は、「ゆっくり話すこと」と「語尾をハッキリさせること」だそうです。「早口で語尾があやふや」。確かにこれじゃ聞く方が苦労するなぁ。