西萩に住んでいた頃、妻とよく行っていた西洋料理屋があります。
小さなお店でしたが料理もおいしく、店を切りもりする白人のママさんとも仲良くオシャベリするようにもなったりして、いい感じでした。

どちらかというといつも空いている店でしたが、ある時妻と2人でドアを開けると、カウンター席に腰かけて編み物をする少女がいました。しばらくそこで編み物をしていた少女は、ママさんと2言3言言葉を交した後おもむろに席を立ち、店を出ていきました。
背中を見送ったママさんは、ボクらの席にやってきて「あれは末っ子の娘だ」といいます。なるほど確かにそんな感じのやりとりだった。「最近反抗期のせいか何だか怖くて…」と、17~18歳くらいの娘を持つ母親らしいグチももらします。
しかし次の瞬間、パァっと表情を明るくし「ウチの娘今度映画に出るのよ」と、娘自慢を聞いてちょうだいモードに入りました。聞くと娘さんはどうやら女優志望らしく、すでにいくつかのVシネマに出演していたり、雑誌などにも取りあげられたりしているようです。
残念ながら顔も名前も知りませんでしたが、もっとよく見とけばよかったねと妻とともに軽い後悔をしました。


そしてその軽い後悔は今、100倍以上に膨れあがっています。
だってその娘、沢尻エリカだったんですもの。