仕事柄、年寄りと接することも多い。

年寄りだからといって、みんなが広いフトコロの持ち主というわけではないし、みんなが卑屈で頑固な精神を持っているわけでもない。いい年寄り・わるい年寄りの比率は、その他の年代のいいヤツ・わるいヤツのそれと大差ないと思う。つまり同じということだ。

ただ、たくさんの年寄りと接してきたなかで、ある偏りを感じるようになった。それは「幸せそうな長生きをしてる人」が持つ共通した特徴だ。


(1)体に柔軟性がある。

(2)姿勢がいい。

(3)人柄がいい。


の3点である。90歳を過ぎてなお元気なジイちゃんバアちゃんは、たいてい上記の共通点を持っているというのがボクの印象。

(1)の柔軟性はやはり、ケガが少ないということにつながるだろう。スポーツや格闘技の世界でもよく言われる話だ。転倒→骨折→入院→手術→臥床→寝たきり→床ズレ→認知症…。ゴールデンスタンダードとも言えるありがちなパターン。転倒しても衝撃を逃がせる柔らかさがあれば、骨折は生じにくいはずだ。

(2) の姿勢の良さは、心臓や肺にかかるストレスを少なくするものと考える。脊柱の弯曲や変形が、その周囲にある内臓諸臓器に悪影響を与えないわけがない。姿勢が良いから、栄養・代謝・循環・排泄・分泌などの歯車がガッチリと噛み合うのではないだろうか。

(3)の人柄。明るくて、ユーモアがあって、よく笑い、よくしゃべり、聞く耳を持ち、さっぱりしていて、謙虚で嫌味がなくて、人を憎まず、感謝の気持ちを忘れない。こんな特徴を持つ人が多い。まとめると「人柄がいい」としか言いようがない。だから人がたくさん寄ってくるのだろう。いろんな人が話しかけてくれて、相手をしてくれて、気持ちよく接してくれる。だから刺激の導入が減らず、認知症にもなりにくい。対人ストレスも少なく、精神的に若々しくいられる。


以上だ。ボクの自分勝手な思い込みに、理屈付けをしてみた。偏見も多分にある。(3)なんかとくに。けどやはりいいジイちゃん・バアちゃんと接すると「いつまでも元気で長生きして欲しいなぁ」と思う。もしかすると、そうやって周囲の人達から「長生きして欲しい」とたくさん思われることこそが、幸せな長寿の最大の秘訣なのかもしれないなぁ。