中学校を卒業したみつるは、

 

大分県立職業訓練高等学校の自動車科へ進学しました。

 

当時のこの学校には、

 

自動車の整備士を養成する自動車科と建築士を養成する建築科の二つのコースがありました。

 

そして学生は、

 

中学校を卒業して来る者、

 

高校を卒業して来る者、

 

既に社会人として働きながら来る者など、

 

様々な学生がいました。

 

自宅が遠い者は学生寮へ入ることになり、

 

みつると同級生のKくん二人も寮へ入ることになりました。

 

寮では、

 

同室に2段ベッドが4つあり、

 

一部屋に8人が入っていました。

 

入学式が終わり授業が始まると、

 

朝礼は基本的に外で行われ、列に並んでいると、

 

元気も体格も良い数名のいわゆるガキ大将グループがあり、

 

みつるの前を通るたびにみつるの腹部を拳で一発殴って通っていました。

 

最初は驚いたみつるでしたが、

 

慣れてくるとみつるの腹部も鍛えられ、

 

少々の突きなどなんともなくなりましたね。

 

そして授業が始まると、

 

後ろの席にいたSが、

 

強い者にはペコペコしているものの、

 

自分より弱いとみるとやたらとちょっかいを出してくる厄介者でした。

 

みつるもSに毎回毎回ちょっかいを出される者の一人でしたが、

 

弱い者いじめをするSにたまりかねたみつるは、

 

ある日の休憩時間にSを呼びちょっかいを出さないよう怒鳴りつけると、

 

それ以降Sはみつるに対してちょっかいを出さなくなりました。

 

それでも他のガキ大将グループは落ち着きがなく、

 

なかなか落ち着いて勉強出来るような環境ではなかったので、

 

みつるもついに我慢できず、

 

止める友達を振り切って学校を飛び出し実家へ帰りました。

 

翌日学校から先生方が数名、

 

実家へやってきて学校へ戻るよう説得してきましたが、

 

勉強できる環境ではないので学校を辞めることを伝え、

 

そのまま学校を退学することになりました。

 

それでみつるの最終学歴は中卒ということでしたが、

 

それでもみつるは、退学を選びました。

 

これからみつるは、

 

10代後半の社会人としての新たな人生がスタートするのでした。

 

---------------------------- 続く -------------------------