みつるも何だかんだとありましたが、
3年生も2学期になると進路指導が始まり、
皆進路を決めていく時期です。
みつるも自分なりに、
いろんな将来の夢を描いていました。
学校に置いてあった社員募集のパンフレットを見て、大型トラックの運転手になりたいとか、
小学校の修学旅行で乗った貸し切りバスの運転手になりたいなどとも考えていました。
また、
テレビで見た自動車レースのレーシングドライバーになって活躍したいと思ったり、
中学になってから読んでいた小説の影響もあり私立探偵になりたいとも考えていました。
更には、
仮面ライダーを見ては藤岡弘さんや、キーハンターの千葉真一さんのように、芸能界に入ってアクションスターになりたいとか、
科学者になって世界科学者会議に出席したいとか、
学校には行かなかったが、学校の教師になりたいなど、
とにかくいろんな夢を持っていました。
(この頃は、後に、この夢のほとんどが実現するとは想像もしていないみつるでした)
そのようないろんな夢を見ていたみつるですが、
三者面談の日が来て、母と担任の先生と話をしていると、
担任の先生から、
「出席日数が足りないので、いまのままでは卒業出来ません」
と言われ、
隣村の中学校に通っていた従兄弟のクラスに18才で留年している生徒がいたことを思い出しました。
すると先生が、
「しかし、1つだけ方法があります。テストを受けて点数が良ければ卒業出来ます」
と言ってきました。
何としてでも卒業だけはしたかったみつるは、
「先生、テストを受ければいいんですね。それじゃ受けます」
と言って後日テストを受けることになりました。
ある日、
誰もいない教室で1人、
テストに取り組むみつるでしたが、
なかなか思うように問題が解けません。
四苦八苦しながら、
何とかテストを終えることが出来ました。
そして2度目の三者面談があり、
先生からテストの結果や今後について話があるため緊張していました。
やがて名前が呼ばれて母と一緒に教室へ入ると、
机を挟んで、先生と向かい合って椅子に座りました。
すると先生から、
「この前のテストの結果が良かったので、卒業は出来ます。」
という話があり、続いて、
「高校に進学するか?」
と聞いてこられました。
みつるが考え事をしていると母が、
「お金のことは心配せんでいいから、高校に行っくね?」
と言われ、
「いや、高校には行きたくない」
と、言い切るみつるでした。
とにかくその日に進路は決まらずに終わり終わりましたが、
帰宅後も母からは、
「先生も言ってるから、高校に行ったら良いのに」
と言われましたがそれでもみつるは高校へは進学しないことを告げました。
それからも学校では、
いろんなパンフレットを次々と見ていくみつるでした。
みつるがそうしている間に皆は、
其々に私立高校の試験を受けていました。
そのような中、
いつも仲良く遊んでいたKに進路を訪ねると、
県立の自動車整備専門学校へいくことにしたというので、
結局みつるも同じところへ行くことにしました。
同級生の中では、
みつるとKだけでしたが、
二人とも合格して、これで取り合えずみつるの進路は決まりました。
そして卒業式、
みつるも1年生、2年生の後輩たちに見送られ、
無事に卒業することになりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー