ある日雑誌を見ていたみつるは、

「文通コーナー」に目が止まりました。

当時はインターネットは勿論、

パソコンやスマホなど何もない時代でしたから、

あるのは黒電話と手紙のみでしたね。

ですから当然ですが、

遠距離恋愛といえば手紙でやりとり、

つまり、文通が主でしたね。

ご多分に漏れず、

文通に興味を持ったみつるは、

早速文通コーナーに掲載されている情報からある女性の名前やコメントが気に入り、

その子に手紙を書いてみることにしました。

その子のイニシャルはEKで、

静岡県在住の同じくらいの歳の女性でした。

とにかく手紙を書くとみつるは、

早速、翌日にポストへ投函しました。

当時は郵便配達も今ほど速くはなかったので、

返事の手紙が来るまではかなりの時間を要したものです。

先ずは初回の手紙の返事が来るかどうかが心配なみつるは、

半ば諦めモードで友達との遊びに気を紛らすようにしていました。

最初の手紙を投函してからどれくらいの日にちが過ぎただろうか、

帰宅してみるとポストの中に1通の手紙が入ってました。

急いで取り出すと、

みつるの宛名で差出人は・・・・・

「やったぁ~、返事がきたぁー」

手紙を手にすると大喜びで2階へ上がり、

文通の返事がOKなのかダメなのか気にはなるものの、

封筒を開けると手紙を取り出し読み始めました。

手紙を受け取った時の感想や、

自己紹介などが書かれており、

最後には「宜しくお願いします」と書かれていました。(たぶん(笑))

そのEKさんとは、

それから数年間という長い間文通が続きましたが、

結局遠距離恋愛、

会うこともなく幕を閉じてしまいました。

たしか、

EKさんの住所は静岡県浜松市ではなかったかと記憶しております。

名前は、

今でも確りと覚えております。

それにしても、

今から約50年くらい前になりますが、

何で名前だけは忘れないんでしょうね。

EKさん、

いまはどこかで、幸せにお過ごしのことと願っております。

ーーーーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーーーーーーー