【みつるの相棒登場】

中学校生活も少しずつ慣れてきた頃、

自転車を走らせ、

歩いて登校する皆に朝の挨拶をしながら追い抜いていくみつるでした。

そして、

走るほどにいろんな所から合流してくるので、

当然ではありますが生徒も増えてきます。

そんななかに、

ちょくちょくと声をかけてくる、

元気な先輩(2年生の男子)Yくんがいました。

日毎に親しくなり、

よく話すようになりました。

その頃になると、

学校では1年生の同級生は勿論、

2年生や3年生にまで、

結局みつるは全校生徒に知られるようになっていきました。

そしてある朝のことでした。

いつものように先輩のYくんが、

「オーっす」

と、挨拶してくると、

「今日はどうするかぁ」

と聞いてきたので、

「今から行こうか」と言うとYくんが、

「おう、いいぞー」

と言ってみつるの後ろからついてきます。

この頃になると周りからは、

「みつるとYは、どっちが先輩か分からないな」

と言われるほど親しくなり、

先輩であるYくんのことをみつるは「Y」と呼び捨てにしていました。

そしてこの日みつるは、

途中から交差点を学校とは反対方向へ走り出すとYくんも後ろからついてきました。

学校と反対方向と言えば当然、「サボリ」です。

朝早くに日田市へ向かうのですが、

途中からは同じ方向へ向かう別の中学校の生徒と同じ方向へ走るので、

日田市から通勤してくる先生とスレ違っても気づかれずに済みました。

やがて二人は日田市内を通り抜けると、

福岡方面へ走りました。

(当時の)福岡県朝倉郡杷木町や浮羽郡浮羽町等を走り回り、

日田市へ戻ると夜明けダムの沿道にある空き地に座り込み、昼食の弁当を食べていました。

当時の中学校では、

給食が無くて弁当持参か若しくは学校に昼になるとやってくるパン屋さんのパンを買っていました。

ですから、

どこへ行っても昼食の心配はありませんでした。

このようにして、

先輩のYくんまでも学校サボリに付き合わせることもしばしばありました。

このYくんがみつるの遊びの新たな相棒となっていったのでした。

それでも、

学校では同級生は勿論、

他の先輩たちとも仲良くしていました。

ーーーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーーーーーーー