【V4:別れ】

出会いは楽しいが、

別れは辛いですね。

とても仲が良く、

いつも、

ミツくんの家の前へ着くと、

「おはよう~。行こうかー」

と、声をかけ登下校一緒だったミツくんが、

あるとき突然遠くへ転校していくことになりました。

他にも友達はいるけれど、

一人がいなくなってやはり寂しいものです。

その後しばらくは、

ミツくんの家の前を通るとミツくんのことを思い出していました。

それからどれくらいの月日が流れたかな?

またまた学校休んで山へ登りました。

遠くの景色を眺めながら、

「なんで勉強が大事なんだろう。先生は『勉強していないと、大人になっら大変だよー』って言うけど、大人たちは数学や英語などどういうときに使っているんだろ」

などと、

そんなことばかり考えていました。

そして翌日、

何気無く学校へ行って自分の机に座ると先生が、

「みつるくん、あなた昨日休んでいたから知らないでしょうけど、じつはね、」

と、僕の顔を見ながら話を続けました。

「MHさん(女子)が昨日を最後に別府へ転校していきました。机の中にあなたへプレゼントを入れていったから見てね」

と言うので、

みんなからワーワーと騒がれながら机の中を見ると、

リボンで結んだ綺麗な包みの物と、たしか、手紙も一緒に入っていたように思います。

それを見た途端に、

心の中では、プレゼントを頂いた嬉しさと最後に会えなかった悲しさとが複雑に葛藤していました。

皆からは、

ヒュー、ヒューと、からかわれましたが、

みつるはMHさんの事が大好きだったので、

最後に何も言えず、

ましてや、

最後の日に学校休んで会えなかった事がとても悔しくて、

その日の夜は眠れませんでした。

学校で一緒に学んだ期間も短かったけど、

みつるも学校を休みがちだったので話す機会もほとんどありませんでしたが、

優しくて、笑顔が素敵なMHさんのことをみつるは大好きでした。

その後頂いた手紙には、

「みつるさんの、イガグリ頭が忘れません」

と、書いてありました。

その後中学校を卒業してから一度だけ、

別府市のMHさんの家へ遊びに行きました。

それから更に月日は流れ、

東京から帰郷した時にMHさんの家を訪ねると、

「あら~。遅かったわね。Mは結婚して東京に居るわよ」

と、Mさんの御母様に告げられた事は今でも忘れません。

みつる中学校生活で、

その後も数名の同級生が遠くへ転校していくことになりましたが、

みんな仲良しだったので、いなくなってからしばらくは、寂しくて辛かったみつるでした。

ーーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーーー