小学生の頃は、
家でいろんな動物を飼っていました。
牛に、犬、鶏、ウサギ、ネコなど、
餌を与えるのもよくやりました。
ある日の事、
夕方のお風呂の前に座り、
薪を燃やして風呂を沸かしていました。
するとそこへ、
いつも可愛がっている子猫(生後半年くらい)が甘えてきました。
子猫と遊んでいるうちに、
突然その子猫が、
火の中へ飛び込んだのです。
慌てた僕は火の中から子猫を引っ張り出しましたが、
既に火傷がひどくてぐったりしていました。
何とかして助けられないかと、
お腹を擦ったりしていましたが、
そこへやって来た父が、
「もう、助からないから明日の朝、学校へ行く途中で捨ててこい」
と言われました。
みつるは、
鳴き声も小さく、
必死に生きようとする子猫になにもしてあげられず、
翌朝紙袋に入れて家を出ました。
途中、
滝の見える所に腰をおろすと、
袋から子猫を取り出して、
弱りきった子猫を何とか出来ないかと眺めていました。
すると、
そこへ通りかかった父が、
「もう、どうにもならん。助からんから葬ってはやく学校へ行け」
と言って仕事へ行きました。
しかしみつるは、
その場を離れることなく鳴き声もだんだんと弱くなって行く子猫を眺めながら、
しばらく泣き崩れていました。
やがて力尽きた子猫を何とか生き返らないかと擦っていましたが、
やがて力尽きた子猫は、徐々に体が固くなりました。
そのあと子猫を滝壺へ葬ると、
学校ではなく、
そのまま山へ登ると座り込んでいました。
それからみつるは、
「神様、どうして子猫を助けられなかったんですか? 神様って本当にいるんですか?」
と、これが初めて「神様」という言葉を口にした時でしたが、
当時のみつるには、どうして突然このような言葉が出てきたのかは考えてもいませんでした。
当たり前のように、
空に向かって独り言を言っておりました。
「神様、いるんですか? もし、いるなら返事をしてください。」
さらに、
「僕は何でこの世に生まれてきたんですか? これからどうしたら良いんですか? 何のために僕は生きているんですか・・・」
この日は学校へも行かずに、
このようなことばかりを天に向かって訪ねていました。
勿論、
この答えは出てくるはずもありませんでした。
※⬇この写真の場所に見えている滝の横を通り、今は道路になっておりますが、当時は細い山道でした。
この場所は、
1年生の頃に先輩と喧嘩した場所ですが、
子猫を葬った滝は、ここから更に山の方へ入ると、
次にもっと高さのある滝があります。
その滝の上が、
子猫と最後を過ごした場所です。
この子猫の死をきっかけに、
自分の存在や目的に疑問を持つようになりました。
ーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーー