小学校1年生の秋のある日、

図画の授業で外へ出た。

絵の具セット、画用紙、筆などの道具をもって、

先生の後について皆で歩く。

しばらく歩くと、

道路脇から細い山道へと入っていく。

坂道を降りていくと川にかかる橋を渡り、

再び坂道を登る。

少し登ったところで其々に場所を取って、

風景画の作成に取りかかる。

自分も大きな銀杏の木の下に場所を取り、

黄色に輝く銀杏の木をメインに絵を描き始めた。

下書きを終えて、

やっと色を塗り始めたが、

結局時間内に描き終えることは出来なかった。

しかし、

何故かこの授業の場面が、

いまだに記憶に残り、

秋になると思い出す。

ほとんど学校へ行かなかった僕の、

数少ない思いでのひとこまです。