およそ40年近くも前になりますが、当時勤めていた東京のある会社で、夏の全国販売コンクールなるイベントが1ヶ月の期間で開始されました。
私達は、山梨県の大月市へ出かけることになり、同市内外れの旅館に宿泊することになりました。
初日の朝、ある夢で目が覚めました。その夢とは、同僚の車(二人一組)で仕事に出たが途中の交差点で右へ行くか、左へ行くかでもめたすえに私の言った左へ行くことになったのです。現地で車から降りたところで目が覚めました。
コンクール初日、朝食後の朝礼、ペアの相手が誰かと思ったら、何と夢の中に出てきた同僚、あだ名が「のろ亀」さん。一瞬驚いたが、偶然だと思い黙って車に乗りこみました。
しばらく走ると、見たことのある景色と交差点が目の前に。ここは初めてだから、気のせいだろうと思った瞬間、運転席から、「どっちに行こうか」と聞かれ、「左へ行こうか」というと、「いや、右へ行こう」と夢の中と同じ事になってしまった。この時、これが「正夢か」かと思いました。
そして翌朝、仕事先で、若い女性と知り合って楽しそうに話しているところで目が覚め、
「あ~。せっかくいいところだったのになあ」と、
夢だったことにがっかりしながら出かけました。
その日は一人で、大月市の駅付近を徒歩でまわることになりました。駅を出て国道を渡り、左の方へ。
訪問を始めて2~3軒目くらいだったと思う。「ごめんくださーい」と声をかけると、目の前の障子が開いて、若い女性が出てきた。
と、その女性を見て驚いた。夢の中の女性そっくり、しかも家の状況や場所も同じ。お互いに初対面だというのに、話が弾んだ。
たしか、1時間以上話していたと思う。名刺を渡してその家を出ると、また、駅の方へ戻り、今度は駅裏の方にある橋の向こうへ行ってみることにした。
橋の真中辺りから下を見ると、人が行けそうもない岩場に、一瞬人影が見えた。
「どうやって行ったんだろう」
と、首をかしげながら、橋を渡り切ったところのうちへ訪問。2軒目の家だったかな? 少し年配のお母さんがいたので、橋の上から見た光景を話、岩場の方を指差すと人影はなかった。そのお母さんから、
「橋の袂(たもと)のお地蔵さんのところに、花が置いてあったでしょう」と言われたが、私は気づいてなかった。それで、帰りに見ると、確かに橋の袂にはお地蔵さんと花束が置いてあった。
そして3日目の朝、仕事のことで上司から叱られている夢で目が覚めた。いやな夢だったなあと思っていたら、夜になって、無常にもその夢が現実のものに・・・・・・・・。
そして、一人東京へ返され、再研修を受けることに。
東京のアパートへ戻ると、そこには、大月市で出会ったあの女性からハガキが届いていた。嬉しくて何度も読み返しているうちに、ふと、あの橋の上の事が気になり、その事を彼女への手紙に書きました。数日後、彼女から届いた手紙には、私があの大月市の問題の橋の上に行く数ヶ月前に、知人が飛び込み自殺をしたという事が書かれていました。
今こうして、この記事を書いているうちに、当時のことが、まるで先ほどまでそこにいたかのように見えてきました。橋の袂のお地蔵さん、今もあの場所にあるのだろうか?
Google地図で見ましたが、当時の橋が見当たりませんでした。
私の記憶では、大月駅の直ぐ近くから踏切を渡り、細い道を進むと橋がありました。
橋から右下を覗くと滝が有り、下には岩場が有りました。
その橋を渡り切ると右側にお地蔵さんがあり、その先から右へ回り込みながら下り坂、そして右は崖になり、左側に家が並んでました。
このブログを読まれた方で、その橋のこと、お地蔵さんのことなど御存知の方がいらっしゃいましたら、現在の様子を教えて下さい、お待ちしております。