ネパール ガネーシュヒマール産のクローライトインクォーツ(緑泥石水晶)はネパールの中でも特に標高が高い所でしか採掘出来ません。
また、他の地域ではこのようなモス・クォーツは存在しません。
言わば、ガネーシュヒマール産独特のクローライトインクォーツ集合体クラスターです。
初めて見る方でしたら「えっ、これが水晶?」と思われる形をしています。
母岩の形跡は無し。
大量のダブルポイントが集合体となり1つの結晶と化しています。
だとすると、水溶液中の中で浮かびながら結晶され成長していったと考えられます。

 


このクローライトインクォーツの表面は、少し透明な水晶が混ざり、裏面は、全てクローライトで埋め尽くされています。

 


見た感じはどう思われたでしょうか。
私が見た印象はドラゴンに似ているなと思いました。
今にも火を吹き出すような姿をしているように見えます。
当店ではネパール ガネッシュヒマール産水晶を大量に扱っていますので一度鑑別に出してみようといつもお世話になっている日本採珠宝石研究所に鑑別依頼を致しました。
(原石の鑑別は時価になり高額になる可能性が高いのであまりお薦めは致しません)

 


鉱物名 天然クォーツ

宝石名 モス・クォーツ

摘要欄 結晶内部に「クローライト」が含有し、表面外部もクローライトで覆われています。

水晶に見えないでしょうが、やはり「天然クォーツ」でした。
モスクォーツは、「苔水晶」といわれ、水晶の中に苔が入ったように見えるから付けられたものです。
この水晶に内包される緑色のものは、クローライト(緑泥石)ですのでモス・クォーツとなっています。
摘要欄にはモス・クォーツの事が詳しく書かれています。

 


こちらの拡大検査には「液体インクルージョンを認む」と書かれていますがこれは、太古の水が入っていると言うことです。
ただし、私が使う10倍ルーペでは全く確認出来ませんので業務用顕微鏡で確認する必要があります。
しかし、こんな変わった水晶の中にも水が入っているのですから大変興味深い標本には間違いありません。
この水晶の生い立ちは海底の奥深くで形成され、そこがプレートとプレートがぶつかりあうことで盛り上がり現在のヒマラヤ山脈となりました。
この地域でしか採れないクローライトインクォーツですのでその希少さがわかっていただけるかと思います。
一種独特の形でクローライトインクォーツポイントだけが固まってできたクラスターでした。

 

クラスター・原石等は知っている人が見ればどこの産地かが簡単に見分けられる事と天然石ブレスレットや宝石等に施される事が多い処理がほとんど行われないので、クラスター等を鑑別依頼するお店はほとんどありません。

しかし、商品の信憑性を増す意味でも公正な鑑別機関で鑑別書を発行して頂く事が、皆様に安心して商品を購入して頂ける唯一の方法と確信しているので続けています。