スバルといえばアイサイトと言われるほど、運転支援機能としての認知度は高い。
その実力はそこかしこにレビューがあるので割愛し、ここでは実利用での細かい部分に焦点を当てる。
フォレスターのツーリングアシスト機能がメインだ
スバルの言うところの「全車速追従機能付きクルーズコントロール」とは、一般的にはアダプティブ・クルーズ・コントロール(英語: Adaptive cruise control、略称: ACC)または定速走行・車間距離制御装置にあたる。
これまで、高速や市街などの利用環境のレビューをしてきて、今回は全体的な機能の話になる。
名前のとおり、走行から停止までの全てをお任せする機能で、その加減速や追従性能が人の感覚と違和感の少ないところがアイサイトの優れている点だ。
先んじてカメラによる認識機能を高めてきたスバルの功績によるところだ。
「全車速」とは大げさで、sk5フォレスターは(アイサイトVer.3からは)制限速度120km/h引上げに合わせて135km/hまで設定できる。
外国車だと200km/h以上設定できる車種もある。
#スバルも135km/h以上の性能があることを自負している
--------
ここで、「何で135km/hなの」ってなるよね。
メーター読みで120km/hであっても実速度は低い車が多い。
低速では誤差と言える程度でも速度が上がれば比例して大きくなり誤差の範囲を超えて、120km/hともなると10km/h以上の差になることもある。
つまり、スバルはメーターで135km/hだとしても実速度は120km/hになり、15km/hの誤差が生じると言っているようなものだ。
#この誤差は法規では許容範囲でスバルがゴマかしているわけではない
メーターはタイヤの回転でしか決められない。
タイヤはゴムでできているから速度や路面の状況直径が変化する。
力はたいてい縮む方向に作用するので直径が短くなることで回転数が多くなり、メーターは実際より高い速度を示すことになる。
それと摩耗によってタイヤは直径が短くなっていく。
#高速回転すると遠心力が働き直径が大きくなるように思えるが、タイヤの構造上直径が大きく伸びるようにはなっていない。延びると接地面が小さくなりグリップもなくなり危険だからね。
--------
話を戻して。。。
前走車を認識しているとほぼ安心できる。
さらに白線も認識すると、ふらつかず、きめ細やかに追従するため、安心感があり力を抜いてリラックスできるほど。
前走車が急減速しても対応できるだけの性能がある。
前走車を認識していないときは少々気を使う。
前走車が近くなり認識する時は、速度が低くても高くても、だいたい同じ距離(マニュアルには110m以内とあるが感覚的には50-70mくらい)になってからだ。
市街だと、他の識別要素が多いのか、30mくらいの時がある。
#新しい車種ほど認識性能が上がっていると聞いている
とにかく流れに乗るほうが疲れない。
リラックスすると飛ばす気もなくなり、追い抜く場面も減り、ゆっくりめになり、さらに疲れにくくなる。
混雑も渋滞も苦にならない。。。むしろ、そのほうがリラックスする。
#渋滞学では車の多い状況では車線による到着時刻の差が僅かであると証明されている。
アイサイトは、安全意識が高まるため、人間の心に作用する隠れた性能だ
ただ機能が高いだけでなく、その動き(加減速など)が人間の感覚に近く不安な要素を少なくしている。
そこが、他メーカのACCとは違う、アイサイトの優位点だと思っている。
一般的なACCは作動時に車速や車間を状況に応じて変更できる。
フォレスターは、車速(5km/h刻み、長押しで1km/h刻み)、車間、レーン・キープ(車線中央維持・先行車追従操舵機能)などが作動中に変更できる。
自分のお勧めは、車速は流れている速度+5km/hに、車間は2個目(高速度なら3個目もあり)。
作動中にアクセルを踏むとオーバライド機能が働き、一時的に車速を上げることができる。
実はオーバライド機能はステアリング操作を任せたまま速度コントロールする唯一の方法でもある。
#速度を最低にしておいてアクセルで緩やかに速度コントロールが可能になる。まるでワンペダルドライブのようだ。
マルチインフォメーションディスプレイからは、先行車捕捉音、加速レベル(クルーズコントロール加速レベル)などを変更しておくことができる。
先行車捕捉音は重要情報なのでオフはお勧めしない。
加速レベルはダイナミック/スタンダード/コンフォート/エコの4つがあり、自分はエコを選択している。
それでも加速が強いと感じているくらいだ。
一方で、通勤時間帯だとスタンダードにしておかないと後続車が詰め寄ってくることが多いので、エコのままアクセルオーバライド機能でアクセルを踏み増してやり過ごすことがある。
アイサイトのお陰で自分で運転している気がしないのは気のせいかなぁ。
もちろんそのお陰で疲れ知らずにどこまでもドライブできる。
最後に。。。
遠出してアイサイトに運転を任せているときは、ある意味、することがないので、外を眺め、流れる景色を楽しんでいる。
子供のころ、父の運転に景色を眺めた視点を思い出す。
sk5フォレスターのC型から、より高機能のオプションだったドライバーモニタリングシステムが標準となり、よそ見していると警告される。
自分のはB型でX-BREAKグレードでオプションだったので付けなかった。
お陰で、よそ見しながら景色を楽しむことができている。
もちろん、よそ見は安全運転義務違反だからね。