Pixel3とはGoogle開発のスマートフォンのこと。

2021年にはOSアップグレードもセキュリティアップデートも終了していて、Android12が最終版となる。

 

まだまだ現役で使えるほどの性能を有しているが、セキュリティアップデートがないのは不安要素なので、巷にある、いわゆるカスタムROMをインストールすることで、最新機能と最新セキュリティアップデートを利用することができる。

ただ、日本版スマホではFelica対応のためにグローバル版からローカライズされているものがほとんどで、カスタムROMをインストールできてもFelica(おサイフケータイ)が使えなかった。

 

 

Pixel3では、Lineageos15あたりからFelicaが利用できるようになっている。
他のカスタムROMにはない日本人ならではの大きな利点となる。

だが、root化されているままなので、一部の電子決済アプリや金融系アプリが使えず不便だ。
それをMagiskにより回避して不便を解消するのが狙いだ。
# root化されたままであるため、マルウェア感染により、通常よりも重要な情報が盗まれる可能性があるので、十分に注意すること。
# 本ページを参考にして被害があった場合でも、責任は貴方にあり、当方では責任が取れません。

 

アップデートの止まったスマホを使い続けるか、root化している最新のOSで使い続けるかは、使用者本人の判断によるところだ。

自分は、最新機能に興味があるし、PixelシリーズはカスタムROMインストールのハードルが低いこともあり、積極的に利用している。

以下は、備忘録を兼ねたインストール手順だ。

・adb、fastbootコマンドが利用できるようにする
  - AndroidSDKを入手
    https://developer.android.com/tools/releases/platform-tools
    * パスを設定するとどこでもコマンドを呼び出せるので便利だが、めったにつかわないようであれば、展開したコマンドディレクトリに移動すればよい。

・Lineageosを入手
  - OS本体のzipとboot.imgファイルをダウンロード
    https://download.lineageos.org/devices/blueline/builds
・Gappsを入手
  - いろんなタイプのものがあり、かつ、特定の場所でダウンロードできないのがちょっと困りもの
  - より信頼のおけるところから適切なものをダウンロードすること
  - 自分は最小パッケージ(たぶんGooglePlayのみ)「MindTheGapps」を選択
    https://github.com/MindTheGapps


・Magiskをインストール
  * 必ずGitHubからダウンロードすること https://github.com/topjohnwu/Magisk/releases/latest


・Magiskパッチboot.imgを作成する
  - Magiskを起動し、Magiskの「インストール」->「パッチするファイルの選択」でダウンロード済みのLineageos本体を選択する (boot.imgではないので注意)
  - パッチされたboot.img (ファイル名: magisk_patched-?????.img)が出力される


・ファイル転送でPCに保存
  - Lineageos本体とパッチ済みboot.imgをPCの適当なところに保存
    * AndroidSDKと同じフォルダに入れておくと利便がよい

・スマホをUSBデバッグモードにする
  - 開発者モードにする
    + 「設定」->「デバイス情報」->「ビルド番号」を7回タップする
    + ピン番号を入力する
  - OEMロック解除する
    + 「設定」->「システム」->「{}開発者向けオプション」が表示される
    + 「OEMロック解除」をオンにする
  - 「USBデバッグ」をオンにする
  - スマホをPCとUSBケーブルで接続する
    + 「USBデバッグを許可しますか?」と表示されるので許可する


・Lineageosのインストール (本家マニュアルを参考)
  https://wiki.lineageos.org/devices/blueline/install/
  - ターミナル等でコマンド操作
    # adb devices
    何かしらのデバイスが表示されることを確認
    # adb -d reboot bootloader
    もしくは、電源を切った状態からボリュームダウンと電源ボタンで起動してもよい
    # fastboot devices
    何かしらのデバイスが表示されることを確認
    # fastboot flashing unlock
  - スマホのボリュームボタンで「Unlock the bootloader」に移動して電源ボタンを押下
    + 再起動されたスマホに「unlocked」と赤字で表示される
  - boot.imgイメージで起動する
    # fastboot flash boot boot.img
      * パッチされていないダウンロードした本家のboot.imgを指定
  - スマホのボリュームボタンで「Recovery Mode」に移動して電源ボタンを押下
  - スマホのフォーマット
    + 「Factory reset」->「format data/factory reset」に進む
  - Lineageos本体をインストール
    # adb -d sideload lineage-21.YYYYMMDD-????-blueline-signed.zip
    * Lineageosのマニュアルにもあるとおり、47%で止まるが、スマホ側のインストールが完了すれば問題ない。
  - Gappsのインストール
    # adb sideload MindTheGapps-14.0.0-arm64-YYYYMMDD.zip
    * 他の操作をした後だと、「Apply update」->「Apply from ADB」を選択する必要がある
      # adb devices で認識しているか確認すればよい
  - 再起動
    + 「Reboot system now」を押下

## Pixelシリーズはfastbootコマンドだけで簡単にunlock(root化)できるが、他の機種ではブートローダとしてTWRPなどを利用することになる。Pixel版のTWRPもあるが、自分は最初だけだと割り切り標準のブートローダのままにしている。

・最初のセットアップ
  - 画面に従って、言語やネットワークなど一通り作業する。


・Magiskのインストール
  - スマホからまたダウンロードしてもよいし、ファイル転送でPCに保存しておいたものをアップロードしてもよい
  - スマホをUSBデバッグモードにする
    * 上と同じ方法でデバッグモードにする
  - 標準の「ファイル」アプリで、Magiskアプリを起動
    * 「セキュリティ。。。」と表示されるので、ここでは「設定」を選択し「この提供元のアプリを許可」をオンにする
    * 「インストール」を押下
  - ブートローダにインストール
    * 本来はブートローダにインストールされるべきものなので、パッチ済みboot.imgで再起動する必要がある
    # adb -d reboot bootloader
    もしくは、電源を切った状態からボリュームダウンと電源ボタンで起動してもよい
    # fastboot boot magisk_patched-27006_sb7Yt.img
      * 注意:「flash」を入れない!
      * これにより一時的にパッチ済みboot.imgで起動させることができる
  - Magiskアプリを起動
    * 「追加のセットアップが必要です」と表示されるが、ここでは「キャンセル」する
    * 「インストール」->「直接インストール(推奨)」を選択し「はじめる→」を押下
    * 完了したら「再起動」する

# パッチ済みboot.imgを「flash」オプションで焼いてもできるが、この手順ではインストールした本体を認識しなくなる。

# すでにパッチ済みboot.imgがあるなら、Lineageosのインストール手順でパッチ済みboot.imgを利用することで手順を減らすことができる。パッチするboot.imgはインストールするLineageos本体のものを利用するのでバージョンを合わせておく必要があり、同じバージョンを再インストールするなら手順を減らせる。

# ただし、パッチ済みboot.imgを「flash」オプションで焼いた場合にブートループに陥る確率も高いためお勧めしない。

(・USBデバッグモードをオフにする)
  - 「設定」->「システム」->「{}開発者向けオプション」
    + 「USBデバッグ」をオフにする
    + 「開発者向けオプションを使用」をオフにする
    * 戻ると「システム」のメニューから消える

・Magiskでroot化を回避させる
  - Magiskを起動
    + 右上の「設定」アイコンを押下
    + 「Magiskアプリを隠す」を押下
    + 「この提供元のアプリを許可」と表示されるので許可する
    + もう一度「Magiskアプリを隠す」を押下
    * 別名のアプリになるので、ショートカットを追加する案内が表示されるが、アプリ一覧で別名になったもので起動できるので、どちらでも。。。
  * これだけではキャリアアカウント周りの設定や金融系アプリは回避できない
  - Zygiskを有効にする
    + 右上の「設定」から「Zygisk」をオンにする
    + 「DenyListを構成」から回避させたいアプリをチェックする
    + 「DenyListを適用」をオンにする
  - 再起動する
  * ここまでで多くのアプリで回避できるが、より厳しいアプリ対策もできる
  - Play Integrity Fix をインストール
    * 必ずGitHubからダウンロードすること
    https://github.com/chiteroman/PlayIntegrityFix/releases/latest
    + Magiskを起動
    + 最下の「モジュール」を押下
    + 「ストレージからインストール」を押下し、ダウンロードしたPlayIntegrityFix_v??.??.zipを選択
  - 再起動する


これで、ほぼ自由だ。

# セキュリティに不安がないわけではないので、心まで自由かと問われると疑問かな。。。


自分は、ドコモキャリアでdアカウント設定をし、おサイフケータイやiDが問題なく利用できることを確認している。
他に、オンラインバンキングアプリも問題なく利用できている。

 


最後にもう一度。。。root化した状態では非常に危険なので、お金を扱うアプリ利用には細心の注意をすること。