何年も前のことになるが、僕はボディーガードとして働いていた。
留学という貴重な経験をさせて頂いていたにも関わらず、東京でボディーガード業に就くことを
諦められず、家族の反対を押し切って、その道に突進した。
無性に誰か、、、誰かの役に立ちたいと思い始めた動機は
それまでの自分の人間性に、そして過ごしてきた人生に情けなさを感じていたからだが、
僕は第三者を時に自らの生命を懸ける、この仕事でどこまで器のある男かを確かめてみたかった。
タイムスリップ、少し時間を飛ばして
その日は初めての警護現場の前日の夜。
自宅。
内容は明かさないが、これまでにない興奮と、勝手な正義感、そして不安で一杯だった。
僕は帰国後まもなく、母と妹と暮らしている。
母のしぐさや一言が思ってもみなかった自分の感情を生んだ。
「不安で仕方がない。」
実際、危険度が高くない仕事でもあっても、母親の愛を感じた。
そして明日が無いかもしれない。
同じ屋根の下で過ごせる最後の日になるかもしれない。
そして、気付いたら母と妹や家族に対し、生まれて初めて遺書を書いていた。
その日までの自分の人生の中で特に好きな曲を流しながら、
若輩ながら22年間の自分の人生を振り返えざる負えなかった。
母の肩を叩きたくなった。
「ありがとう」を伝えなければと思った。
そして、長生きしたいと正直に思った。
初現場を終え帰宅した時、また家族に会えたことに、とても感謝する。
当たり前は、当たり前であってはいけない。
そう学びを頂いた。
