大阪を飛び、羽田に降りる青い機体の、

中身はびっしり、サラリーマン。


新幹線との違いの40分を、必死に求める戦士たち。





窓の外には、ジーフー。

背後の八ヶ岳との違いを求めないまま、大違い。

白い頭は、冬仕様。






『おい、到着が10分も遅れるってどういうことだ?』

戦士は機内にも敵を見つけて、挑戦状。



だけど許して欲しい、青い会社のお姉さん。

彼らの目盛りは分刻み。

怒りのもとは、彼の部長で、その元は彼の社長で、さらにその元は株主で、さらなる向こうに資本主義。

窓の向こうには、ただジーフー。

なんのしがらみにも絡まってない、単独峰。





『申し訳ございません』と、マニュアルと同じ角度で頭を下げたお姉さんの、

上半身が通路から消えて、反対側の席の戦士たちがずらっと、こちらを見つめてる。

彼らの視点はここに合ってないけど、

少し延ばせば、どの窓の外にもちゃんとジーフー。




かわいそうに、10分で焦るくらい頑張ってるんだなと、

なぜだか達観気味の僕だって、

5分の違いにイラ立つ日もある、人間種族。

たまたま今日は余裕がある方の、同じ人間種族。

だけど僕は、通路じゃなくて、窓側を向いてるから、

窓の外には、ほらね、ジーフー。




『どうしてくれるんだ』と、刀を下ろさない戦士はどうやら、

届けたい書類があるみたい。





40分先の未来へ行くために飛び乗った飛行機だ、もっと叫べ。

遠くの誰かに伝えたいその知らせを握りしめて、変わるわけがない状況を変えようともがけ。

だけども、やっぱり。

窓の外には、どーんとジーフー。





遠くの誰かに伝えようとせずとも、遠くの誰もが知ってる存在、ジーフー。


色々と偉そうに書いたけど、

俺もギターとサンシンなんて抱えて来なきゃ良かったなと、

手荷物受取所で荷物が運ばれてくるこの10分の差に、

やはりイラ立ち始めた、同じ人間種族だよ。





仲良く、してね。



いま、羽田に着いた(^-^)/

結局、飛行機は遅れてなかったぞ(笑)

今日はこれから、みつろうTVの撮影でーす。