私は長い間緊張、あがり症に悩んでいました。
演奏会やコンクール、大学での試験など人前で演奏をするとひどく緊張してしまい、「いつもより音が出にくい」
「息が吸いにくくて苦しい」
「苦しいからいつも吸わないところでブレスをしてしまう」
「指もうまく動かない」
といったことに悩んでいました。
しかし、よくよく思い出してみると楽器を始めたばかりの頃は緊張よりも楽しさやワクワクが勝っていて、人前でも楽しく演奏できていた気がします。
ではなぜ人前での演奏が緊張するようになったのでしょう…?
覚えている中で一番古い緊張の記憶は中学生の頃、吹奏楽コンクールです。
コンクールではやはりいい結果を残したいので、そのためにいい演奏をしたい!と思っていました。
でもその「いい演奏」が、
「聴いてる人が感動するような、楽しめるような演奏」ではなく、
「音程や縦の揃った演奏」「ミスのない演奏」だったのです。
そのため小さなミスでも気にしてしまい、終わったあとに間違ってしまったことの反省ばかりでした。
さらに私が緊張するようになったもう一つの原因は、人の意見を気にするようになったことです。
「へたくそだと思われてたらどうしよう」
という思いが身体をこわばらせ、思い通りの演奏をできなくさせていたのです。
アレクサンダーテクニークを学び始めた理由のひとつが、この緊張をなんとかしたいという思いでした。
今回はこの緊張に関してこの2年間アレクサンダーテクニークで学んだ事をまとめてみようと思っています。
長くなりそうなので、何回かに分けて書きます。
そもそも緊張とはいったいなんなのでしょう?
人は不安や恐怖を感じると、神経伝達物質「ノルアドレナリン」という物質が血液中に多量に分泌され、自律神経のうちの交感神経を刺激します。
交感神経が刺激されることで心臓のドキドキや体温の上昇、発汗などが起きるのだそうです。
これは動物が的をみつけたときに毛を逆立てたりするのと同じような状態です。
人間もいつもと違うような場面では自分の身を守るためにドキドキなどが起こるのです。
しかしこの状態は決して悪い事ばかりではありません。
交感神経が刺激されることにより、ドキドキや発汗の他に、集中力や身体能力を高める効果もあるのです。
集中力や身体能力が高まるということはいつも以上の力が発揮できる可能性があるということです。
いつも以上の力が発揮できる可能性があるのなら、緊張も悪い事ばかりではないですね!
さて、そうは言ってもやはり緊張でガクガクブルブルはいやですよね…。
次回は緊張した時の私なりの対処の仕方を書こうと思います。