大いなる遺産 | 美津子の部屋

大いなる遺産


霞ヶ浦を一望に見渡せる風光明媚な土地。別荘を建ててもいいし、鉾田鉄道の駅前でもあるので商売もできるという。

母が買った自慢の土地を夫が相続しました。固定資産評価額も相当なもので30年に亘り毎年数万円の固定資産税を払っていました。

30年前の購入直後、実地で自慢したい姑と一緒に見に行きました。

一時間に一本の単線鉄道。周りに一軒の家もなく見渡す限り原っぱで眼前に霞ヶ浦が広がる傾斜地。駅はすぐそこだけれど 一人も乗り降りしなければ「駅前の商店」は立ち行きませんねえ、と素直に感想を述べてしまった若かった私。

売ってしまいたかったけれど 買い手は居ません。

行方市役所に寄付を申し出ると 寄付は受けられません。

相続した夫に固定資産税納税通知が届きました。税金の納付義務を相続したようなものです。市役所の課税課に掛け合い、実地検分して「住宅地であるが住む人もなく荒れ果てている」雑種地に変更してもらい、固定資産税課税価格は従来の20%になりました。

さらに原野(税金はほぼ0)への地目変更は法務局への申請が必要だそうで相続人の仕事はまだまだ続きます。

参考までに隣接地の地目はどんなものがあるのかお聞きすると、原野、山林、雑種地、宅地が混在しているとのこと。

市役所に寄付を申し出る方もたくさんいらっしゃる、のだそうです。

(後日譚)友人に原稿を見せると 同じような物件を持っている人がいるのですねえ。

自分が相続人でなくて良かった、と言う人。財産を貰ったア、と喜んでいる人。人生イロイロです。
大いなる遺産         07,07  美津子の部屋