こんにちは。満川眼科医院、中の人です。
今回のテーマは、緑内障です。
当ブログでも何度か緑内障を取り上げました。
緑内障という病気自体はよく聞く名前ですが、それなりに病気の失明度は高いです。しかし早期発見すれば、それほど怖い病気ではなく適切な対処方法があると言えます。
それ故に人間ドックでは必ずと言っていいほど緑内障の検診はセットになっているはずです。
また市によっては緑内障検診を行っているところがあります。自己負担額は市によって変わりますが、1,000円未満で受けられるのであれば安価と捉えていいでしょう。
その緑内障健診で引っかかりやすいのが近視による緑内障の精査や、眼底検査の項目で『視神経乳頭陥凹拡大』なんて書かれることかもしれません。
さて、ではこれらの緑内障の検査はいったい何を見ているのでしょうか??
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240123/09/mitsukawa-eye-clinic/8f/c5/j/o0720064315392680172.jpg?caw=800)
緑内障は目の前側、前眼部にトラブルを抱えることによって、目の後ろ側、後眼部が障害を受ける病気です。
緑内障の人は眼圧が高い、なんて聞いたことあるかもしれませんが、眼圧について言えば様々な要素が絡んでいるので人によって正常値が異なります。その人にとっての目に優しい眼圧というのがあるのでそれを維持できれば緑内障にはならないですし、なっても進行は少なく済みます。
さて、なんで眼圧が高くなるのだろうか、というのが前眼部のトラブルに関係があります。
目の構造の説明をさっとしておきましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240122/11/mitsukawa-eye-clinic/2a/12/j/o0571043215392335457.jpg?caw=800)
※一部視能学より抜粋
緑の⇔部分の断層図を見ると上右図のようになります。
黒目の奥には水晶体という白内障になる部分がありますが、茶目部分は虹彩と呼ばれる部分があります。虹彩は血管が豊富な伸び縮みする組織であり、緑内障にとって、この茶目の根本部分、隅角が重要です。
下図は隅角が拡大されて示されています。
※現代の眼科学より抜粋
色々書いてありますが、要するに目の中には液体(図の中では房水)が満たされているのですが、その液体は出口に向かって流れる道があるということです。
この目の中の液体の流れる道は細くなれば流れが悪くなり、眼圧が高くなり、この状態が長く続けば緑内障になる、という病気の機序になります。
さて、検査や診察では様々な情報を手に入れます。
前眼部検査では先生が機械で光を当てて診ると思いますが、白内障がないか、とか、角膜がきれいか、とか、炎症が起きてないか、などを下図のように確認しています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240122/16/mitsukawa-eye-clinic/59/63/j/o0736036615392445743.jpg?caw=800)
この時に水の流れの通り道が狭くなる所がないか、なども確認します。浅前房と呼ばれる状態です。
上の写真より下の写真の方が楕円状の縦線と縦線の隙間が狭くなってそうですが分かりますか???
※一部緑内障欲物治療ガイドより抜粋
他にも落屑症候群(らくせつしょうこうぐん)など、目のふけのようなものが中にたまってしまい緑内障を起こす可能性があります。
下図の白いヒョロヒョロした紐みたいなものが落屑の塊。
多治見スタディでは緑内障の1%くらいの割合でしたが、治療は専門機関で行うことが多いです。
これまでの話に出てきたことは緑内障にかかるまでの前駆要因になるのです。そして実際に眼圧が高くなり続けると、ダメージを受けているのは網膜、ないし視神経乳頭という部分になります。
なので眼底検査を行うのです。
眼底検査で最も多く要精査と書かれるのは『視神経乳頭陥凹拡大』かと思いますが、下図の眼底写真を見ると白い丸が視神経乳頭といって目と脳を繋ぐ管の入り口です。
※OCT読影トレーニングより抜粋
この白い部分の大きさによって緑内障になりやすい傾向があるので精査するように書かれます。
もう一つ、『神経線維層欠損』と書かれる人もたまにいます。神経線維層は視神経乳頭へのダメージが強い、もしくは長く続くと欠損しやすくなっていきます。
写真の矢印の部分、色が少し濃くなっている部分が神経線維層欠損部位です。
その部分の
視野の感度は落ちている可能性が高く、本当に緑内障かどうかは
視野検査を行って精査をします。
市や人間ドックで行う緑内障健診は手厚く行っているところでも眼底検査までかと思います。
ここから先、視野検査や網膜の薄さの程度は眼科で精査して、実際に緑内障なのか、その程度を調べていきます。
当院でも緑内障の精査、治療を行っていますので最寄りの方はどうぞいらして下さい。
目の検診は、平塚市満川眼科医院へ。
Web予約はホームページよりどうぞ
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tel : 0463-21-0460
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