こんにちは。平塚市、満川眼科医院、中の人です。

 

今回のテーマは、緑内障です。

 

 

2000年、岐阜県多治見市にて3000人が参加し、2018年、福岡県福岡市久山町にて約3400人が参加した緑内障の大規模調査が行われましたが、その疫学研究の結果のご紹介をします。

 

 

 

 

疫学調査というものは地域(日本やアジアなど)の有病率(病気を持っている人の割合)や病態を理解するうえでとても重要な研究です。日本でも糖尿病や新型コロナウイルスなど、様々な疫学調査が行われてきましたキラキラ

 

 

 

 

失明ランキングトップである緑内障でもそういった疫学調査が行われているのですが、最も有名なものとして、多治見市の、約3000人が参加した大規模調査、多治見スタディがありました。これまでにも小さな地域や病院の報告はありましたが、国際的、かつ科学的に調査報告されたことがなかったため大きな意味を持ちましたデレデレ

この日本で初めての緑内障疫学調査は、これまで知られていなかった、日本人特有の緑内障の病態をいろいろと教えてくれました。

 

 

例えば、緑内障の有病率について、40歳以上は5%の人が持つことが分かりました。この調査で発覚した人も多くいます。年代別に見ると次の通り。

40歳台・・・2.2%

50歳台・・・2.9%

60歳台・・・6.3%

70歳台・・・10.5%

80歳台・・・11.4%

 

その他にも日本の独特の病態を報告することになりました。

正常眼圧緑内障(眼圧が高くないけど緑内障の人)が多いこと。角膜の厚みによる眼圧の変化年齢に伴う眼圧の変化があること。緑内障特有の目の中の出血の頻度。また、緑内障は家族歴(直系の有病率)や地域差(九州地方に多い症例など)もありますが多治見市の緑内障の型の比率も報告されました。

 

緑内障は中期まで見えづらさを自覚する病気ではないのですが、40歳以上の未自覚の緑内障の人が多くいたということでした。

その中には進行しやすい症例もあったことから、早期の健診の注意喚起がされたわけです。

 

 

 

 

 

さて、ではそれから17年後に行われた久山町の研究はどうだったのでしょうか。

 

まず有病率ですが、多治見スタディでは5%の方が持っていた緑内障でしたが、久山町では40歳以上の7.6%の人が持つことが分かりました。年代別にみると次の通り。

40歳台・・・2.7%

50歳台・・・4.4%

60歳台・・・7.4%

70歳以上・・11.5%

これは全国的に進む高齢化に伴った上昇値であり、過疎化などの地域性とは関係はありません真顔

 

その他の結果について、正常眼圧緑内障が多く年齢とともに緑内障比率が上昇し、角膜の厚みに影響することは多治見スタディとだいたい同じ結果を示すことが分かりました。

また、九州地方に多いといわれる落屑緑内障(らくせつりょくないしょう)はこの調査にて5倍多い結果となりました。本当に九州地方は多いんですねぇほんわか

 

 

 

 

今回、二つの疫学調査の結果をご紹介しましたが、年齢とともに増えていく緑内障は、高齢化が進む日本では今後も増え続けることが分かりました電球

これは年齢調整という統計処理をすると、落屑緑内障以外はだいたい同じくらいの有病率になります。

 

3000人以上が参加するというかなり大掛かりな前向き検討の調査でしたが、後世に残る研究になったのではないかと思いますにっこり

 

 

 

 

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