こんにちは。満川眼科医院です。
 
今回のテーマは、緑内障です。
 
 
緑内障は眼圧によってコントロールされる、と👉  緑内障① で書きましたが、今回はその眼圧についてのトリビアを紹介したいと思います。
 

 
 
眼圧は眼球の張りの強さを表していて、眼球内で一定に保たれています。(眼球の角膜側と網膜側は基本的に同じ眼圧)
 
 
さて、この眼圧は緑内障の命運を握っているのですが、実は絶えず変動していていつも同じ値が出る訳ではないのを知っていますか?
 

眼圧を0.5秒ごとに連続測定すると、

このように微妙に変動しています。これは拍動が影響しているからです。
その為、シビアに診る先生は3回測らせたりします。
 
しかし言ってもこの場合の数値の変化は2前後ですが、実はこの様な微妙な変化はたくさんあります。
 
 
 

角膜と水晶体の間には房水が満たされています。
この房水の量によって眼圧の変動が起こると言われていますが、房水は出る量が時間帯や体の状態によって大きく変わります
 
 
人間の体は交感神経副交感神経と、自分の意思ではコントロール出来ない自律神経がありますが、
交感神経支配時は体が活動状態にある時(運動、仕事時)、副交感神経支配時は体がリラックスしている時(睡眠時)に働きます
 
房水は交感神経優位な時に産生されます
実際に房水産生量を調べると、昼と夜では約1.5〜2倍くらいの差があるそうです。副交感神経が優位になりやすいのは夜なので、夜の方が房水の産生量が少なくなります
 
では日中の方が眼圧が高くなりそうですが、実際はどうなのでしょうか???
 
 
 
実は、眼圧は夜間に最高値を出す人が多い、という報告があります。

何故でしょう、、、

 
 
 
人間は立つ、座る、寝る、と体位が変わるからです
 
逆立ちをした事がある人は分かるはずですが、頭に血がのぼりますよね。何で血がのぼるか、、、頭に入った血が心臓に戻っていけない、戻りづらくなっているからです。
これは単純に重力によるもので、頭と心臓の位置関係が強く影響します。
 

つまり座るよりも寝る方が眼圧が上がるわけです。

どれだけ上がるのか???ですが、かなり個人差がありますが、5〜10くらい上がるようです。
なのでほとんど寝て過ごす夜間は眼圧が高くなるわけです。

ちなみに、、、逆立ちをすると眼圧は倍以上に上がるらしいですよ。。。
 

ただし、いずれの体位変動にしても、姿勢が戻れば眼圧も1分以内に元に戻ります。



姿勢変動の話をしたので少し怖い話を追加します。
ロボット支援前立腺手術(ダビンチ)という前立腺摘出の遠隔操作手術があります
画期的次世代の手術ではありますが、手術時間約三時間程度の間、頭低位(30〜45度程頭が下がる)の状態が続きます
そこで緑内障の患者が当手術を受けて、術後失明した人がいました

 まさか、という話ですが、自分の病気のことはしっかりと知っていないといけないという事例ですね。。。
ちなみに現在では必ず眼科受診するよう義務付けがあるのでその心配は無いと思います。




さて、他にも眼圧上昇因子があります。

●水分補給は影響ある??
大量飲水は眼圧上昇の因子になります。
ちなみにアルコール摂取はどうでしょうか??
実は副交感神経の働きにより眼圧は下がります。ただし、沢山飲めばもちろん上がります!
 
 ●季節も影響あり
夏は低く、冬は高くなるのが一般的です。あったかい家から寒い外に出ると急激に眼圧上昇することがあるそうですのでご注意を!
 
 ●運動をすると??
適度な運動は眼圧下降につながります。しかし先にも述べた通り、飲水で眼圧は上がりますので、適度、が大事です。


いろいろと挙げましたがまだまだ眼圧に関わる話はあります。これだけ色々な因子が重なって眼圧測定結果に現れます。



 


 
目の検診は、平塚市満川眼科医院へ。
 

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