こんにちは。満川眼科医院です。

 
今回のテーマは、斜視です。
 
表題からして読む気が無くなる内容ですね真顔
その通りに難しいお話なのですが、目の症状から頭の中の異常を疑うきっかけになる大事なことでもあります。基礎の話はいつでもつまらないものですもやもや
 

 

さて、斜視は先天的に体質が原因で元からあったり、後天的に体の病気の合併症で起こったり外傷がきっかけで起こったり様々です凝視
今回は後天的に起こる斜視の原因になる、基礎的なお話、主に、目を支えて動かしている筋肉の機能、それに関わる脳神経について書いていきます。
 
 
 
 
 
右差し間欠性外斜視①でも書いたことがありますが、眼は片眼につき6本の筋肉外眼筋)で支えられています
 
水平の動きを司る筋肉が2筋、上下と回旋の動きを司る筋肉が4筋です。また、目の筋肉は12対ある特有の脳神経の1つによって動きをコントロールします。
 
※視能学より抜粋
 
目を動かすときに使う筋肉は随意筋(自分の意志を持って動かす筋肉)なのですが、脳から指令を出して動かしたい方向に動かす神経伝達が必須になります。
 
目を動かすことに関係のある脳神経はⅢ:動眼神経Ⅳ:滑車神経、とⅥ:外転神経の3つです。間接的に他の脳神経も関係することはありますが、基本的には上記の通りです。
 
もうすでに頭が痛くなりますね魂が抜ける
 
 
 
次に6本の筋肉の紹介をします。こんな筋肉があるんだなぁくらいの気持ちで読んでください凝視
 
内直筋
眼球の内側に付いている筋肉で、内向きの力が働きます。
動眼神経(第Ⅲ脳神経)支配です
 
外直筋
眼球の外側に付いている筋肉で、外向きの力が働きます。
外転神経(第Ⅵ脳神経)支配です
 
上記の2つの筋肉は水平の動きを司っていますので単純に目の左右に付いている筋肉を使うだけなので分かりやすいです。
しかし上下方向は目に斜めに付いている筋肉を同時に動かすことによって得られる運動なので複雑です。
 
上直筋
主に上向きの力が働きますが、眼球の真上よりやや外向きに付いているので水平の動きと連動して動きの作用が変わります。眼が外方に向いている時は上向きの、眼が内方に向いている時は回旋の力が働く
動眼神経(第Ⅲ脳神経)支配です
 
下直筋
主に下向きの力が働きますが、眼球の真下よりやや外向きに付いているので水平の動きと連動して動きの作用が変わります。眼が外方に向いている時は下向きの、眼が内方に向いている時は回旋の力が働く
動眼神経(第Ⅲ脳神経)支配です
 
下斜筋
主に上向きの力が働きますが、眼球の内下方から斜めに付いているので水平の動きと連動して動きの作用が変わります。眼が外方に向いている時は回旋の、眼が内方に向いている時は上向きの力が働く。
動眼神経(第Ⅲ脳神経)支配です
 
上斜筋
主に下向きの力が働きますが、眼球の内上方から斜めに付いているので水平の動きと連動して動きの作用が変わります。眼が外方に向いている時は回旋の、眼が内方に向いている時は上向きの力が働く。
滑車神経(第Ⅳ脳神経)支配です。
筋肉の話はそこまで大事ではないのでこのくらいにします無気力
 
 
 
さて、
それぞれの筋肉に対して特有の脳神経の支配があることが分かりましたが、後天性の斜視の原因を考える上で脳神経の障害が原因の斜視を考える必要があります秘密
 
 
 
1番分かりやすいのは1つの筋肉しか対応しないⅥ:外転神経に障害が起きた時です。
外転神経は長い距離を走る神経なので物理的な障害を受ける可能性が高い神経でもあります。
前述の通り外直筋しか動かさないので、外転神経が外傷などで切れてしまえば目は外向きに動かせなくなるわけです
つまり外転神経に異常がある目は内斜視のまま固まって動かせなくなります(反対の目は正常)。
 
 
 
続いて、Ⅳ:滑車神経ですが変な名前の通り、対応する上斜筋という筋肉は変な形をしています。
目の後ろ側から目頭の上の骨の部分に一度付着してから折り返して目にくっつきます。この折り返し地点が滑車の様に役割をするところから滑車神経と名前がついています。
内下方への目の動きが阻害されますので、障害を受けた目は正面を向いていても上転しやすくなるか、目を内側に向けた時上の方へ向いていしまいます。
交通事故などの直接的な物理刺激で障害を受けたりすると障害を受ける可能性があります。
 
 
最後に、1番多くの筋肉を操作しているⅢ:動眼神経は、目の奥の方から内側を伸びて視神経や目の栄養を運ぶための血管が沢山通る眼窩先端部2枝に別れて通っていきます。
動眼神経の異常を疑う斜視は内側に動かす筋と上向きに動かす筋が多いので外斜視+下斜視になることが多いです。
また、動眼神経は筋肉だけではなく瞼を上げる筋肉瞳孔(黒目)を動かす筋肉に影響します。
そのため、これら動眼神経に直接影響のある症状が出ていると、頭の中の異常を気にしなくてはなりませんからMRIを撮るなど眼科以外にも精査する必要が出てきます。
 
なんとも、、、なかなか濃ゆい絵を作ってしまいました。。。ポーン
 
 
なかなか内容も絵も濃い話になってしまいましたが、後天性の斜視は突然起こることも多くあり、その場合緊急性などもあったりするので脳神経の障害は考えなくてはいけません。
 
何事も急な症状に対しては医療機関に相談をお願いします。
 
 
 
 
 

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