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週足チャートで確認する【1月19日週の相場まとめ】。

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先週の相場を振り返りましょう。

先週の米市場は下落。

地政学リスク、政治要因、金融政策、金利動向といった複数の不確実性が同時に重なり、市場参加者にとって判断の難しい一週間となりました。

ただし、最終的に米相場全体が示したメッセージは、「最悪のシナリオはいったん回避された」という点に集約されます。悲観に傾き切ることなく、リスクを見極めながら次の材料を待つ局面に入った週だったといえるでしょう。







米国市場では、週初からトランプ大統領の発言に市場が大きく振り回されました。デンマーク自治領グリーンランドの取得問題を巡り、反対姿勢を示す欧州諸国に対して最大25%の追加関税を課す可能性を示唆したことで、米欧間の対立が再燃するのではないかとの警戒感が急速に高まりました。

しかし、その後トランプ大統領は一転して追加関税の撤回と武力行使の否定を表明しました。この方針転換は、市場でしばしば語られる「TACO(Trump Always Chickens Out)」、すなわちトランプ氏は強硬な姿勢を示しても最終的には後退することが多い、という経験則を再び想起させるものとなりました。

これにより、「最悪の地政学シナリオはいったん回避された」との受け止めが広がり、株式市場のセンチメントは急速に改善しました。

その後トランプ大統領は自身のSNSにおいて、グリーンランドおよび北極圏全体を視野に入れた将来的な合意に向けた枠組みを設置したと投稿し、グリーンランドの領有に同調しない欧州諸国に対する関税措置については実施しない考えを示しました。

記者団から新たな枠組みの内容について問われたトランプ大統領は、アメリカが求めてきた要素はすべて盛り込まれていると強調しました。具体的には、国家安全保障だけでなく国際的な安全保障の観点も含まれており(安全保障と資源確保の両面を意識した構想のよう)期限を区切らない長期的な合意になるとの認識を示しています。ドンロー主義と言われるような、交渉の余地を残しつつ主導権を握ろうとするトランプ大統領の姿勢を改めて印象づけるものとなりました。

市場や国際社会にとっては、緊張がひとまず和らいだ形となり、今後はこの「枠組み」が実際にどのような具体策へと発展していくのかが注目される局面に入ったと言えそうです。


この局面で特徴的だったのは半導体などの景気敏感株と、ヘルスケアといったディフェンシブ株が同時に上昇した点です。

これは単なる短期的な自律反発ではなく、市場全体のリスク許容度が回復しつつあることを示唆する動きでした。地政学リスクが後退するなかで、投資家が一斉にポジションを戻し始めた様子がうかがえます。

米国では経済指標も相場を下支えしました。新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、雇用環境が依然として底堅いことが確認されました。また、2025年7〜9月期の実質GDP改定値は前期比年率4.4%増と、速報値および市場予想を上回る結果となり、「米国経済は減速していない」という認識が改めて強まりました。これに加えて、11月のPCE物価指数は総合、コアともに前年比2.8%と市場予想通りの結果となり、インフレ再燃を警戒させる内容ではありませんでした。

こうした一連のデータを受けてFRBの1月会合では政策金利を据え置くとの見方が引き続き優勢となっています。インフレも景気も想定の範囲内に収まっているとの認識が、株式市場にとっては安心材料となりました。



株式市場の中身を見ると、ハイテク株やAI関連を中心とした大型成長株に資金が集まりました。先週フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は連日で史上最高値を更新し週足でも上昇しています。

一方で、トランプ大統領が「議会襲撃事件後に政治信条を理由として銀行取引を拒否された」と主張し、JPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏を提訴したことが明らかになると、金融株は不安定な動きとなりました。

また、個別企業ではインテルが厳しい決算内容を発表し、株価は大きく下落しました。PC向け販売の低迷に加え、2026年1-3月期の見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、半導体セクター内でもAI関連と従来型半導体の明確な二極化が改めて浮き彫りとなりました。一方で、エヌビディアは中国当局がAI半導体「H200」の受注準備を国内企業に認めたとの報道を受けて上昇しており、AI分野への資金流入が続いていることが確認できます。


また米国は27日に気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱したことや、

米国では大雪で壊滅的影響の恐れもあるとしており、南部では停電もあると報じられていて、南部の州を中心に12周への緊急事態宣言を承認したということで、国民の安全を確保することにトランプ大統領も動いています。歴史的な寒波の影響が、経済に影響を及ぼすのかも注視すべきかと思います。


コモディティ市場では、安全資産志向とインフレヘッジ需要を背景に金や銀が上昇を続け、銀価格は史上初めて1トロイオンス=100ドルを突破しました。これを維持していけるのかと言うところも注目ポイントかと思います。


先週の日経平均株価は週足で89円30銭の下落。ただ週末の日経平均先物は大きく下落しています。

高市首相が通常国会召集日に衆議院解散を正式に表明したことで、市場は一気に総選挙モードを意識する展開となりました。与野党ともに消費税減税を主要争点として掲げる可能性が高まったことで、将来的な財政拡張への警戒感が強まり、日本の長期金利は約27年ぶりとなる2%台前半まで急上昇しました。

この金利上昇は、低金利環境を前提に評価されてきた成長株や高PER銘柄にとって明確な逆風となり、利益確定やポジション調整の売りを誘発しました。

こうした状況下で開催された日銀金融政策決定会合では、市場の予想通り政策金利を0.75%程度に据え置く決定がなされました。

前回会合で30年ぶりの水準まで利上げを行った直後であり、今回はその影響を慎重に見極める姿勢が優先された形です。賛成8人・反対1人で決定しました。一方で、反対票を投じた高田創審議委員は、物価目標はおおむね達成されているとして、1.0%程度への追加利上げを提案しました。結果的に否決されたものの、日銀内でも物価上振れリスクを意識する声が確実に存在していることが示されたといえます。


展望レポートでは、2026年度のコアCPI見通しが上方修正され、実質GDP成長率見通しも引き上げられるなど、日本経済に対する評価は全体としてやや強気な内容となりました。

一方で、植田総裁は会見で利上げ判断はデータ次第であるとし、実質金利は依然として極めて低い水準にあるものの、利上げを急ぐ局面ではないとの認識を示しました。この「利上げは否定しないが、急がない」というスタンスが為替市場では円安材料と受け止められ、ドル円は円安方向に振れましたが、その後為替は急速に円高方向に動き週末終盤の取引では155円台半ばと約4週間ぶりの水準まで円高・ドル安が進行。FRBによるレートチェックであることは確実ですが、どうやら日本側がFRBにレートチェックを行うように要請したとのことです。日米の繋がりを示す情報がなると週明けに追加のアクションも十分あり得ます。日本株、為替市場ともにボラティリティに要警戒ですね。





1月第2週の投資主体別売買動向を見ると、外国人投資家は現物と先物を合わせて9000億円を超える買い越しとなっており、日本株に対する中長期視点での評価が崩れていないことも確認できます。大きく下がったら(値動きを見ながら場合によっては少しずつ)買っていきたいと個人的には考えています。皆様の投資の参考になれば幸いです。