週足チャートで【9月15日週の相場まとめ】
Ciao
ご一緒に先週の相場を振り返ってみましょう。
先週の米市場は上昇、主要3指数が全て最高値を更新して引けました。
FOMCの結果発表を控える中、週前半はやや様子見ムードもありましたが、利下げ期待やAI関連の上昇がけん引。16日までフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は9営業日続伸しており、2017年以来ほぼ8年ぶりの最長連騰を記録しました。
経済指標や発表を見ますと、
16日発表の8月の米小売売上高が前月比0.6%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回り、7月分も小幅に上方修正されました。
17日のFOMCでは9カ月ぶりとなる0.25%の利下げを決定。これは市場の予想通り。
今回の決定には一部反対意見もあり、トランプ大統領が送り込んだと見られる新任のミラン理事がより大幅な0.5%の大幅利下げを主張し、唯一反対票を投じました。1人の反対票でほぼ全員一致でした。ドットチャートの中央値は年内の利下げ継続を示唆、6月よりハト派的でしたが、FOMC内部でも見解の違いが目立ち始めており、今後の金利政策は引き続きデータ重視の姿勢が堅持される見込みです。
連邦準備制度の見通し(SEP)では、年内残り2回の会合で計0.5%の追加利下げが想定され、来年にも0.25%の追加利下げが見込まれています。
パウエルFRB議長は今回の記者会見では労働市場や物価動向、経済成長の現状について慎重な評価を示しました。
雇用情勢は明らかに勢いを失っており、失業率の悪化とともに労働市場の下振れリスクが高まっていると認識されています。人材需要は以前ほど強くなく、雇用の伸びは依然として鈍化しているという言及もあり、失業率抑制に必要な雇用創出ペースを下回る推移となっている状況です。
物価については、依然として高止まりが続いています。インフレ率自体はやや上昇しつつあるものの、コアインフレ率の予測も高い水準にとどまっています。サービス価格の抑制が続く一方、モノの価格上昇が目立ち始めています。特に、関税の導入などにより短期的な物価上昇圧力が生じているものの、その長期的な影響については今後の見極めが必要というスタンスです。
経済活動全体は、この半年間で成長の鈍化が明確になっています。特に消費の減速が、GDPの伸び鈍化に影響を与えているとの見方です。今後は金融政策を含め、経済の動向を慎重に分析していく方針が強調されています。
こうした状況を背景に、FRBは労働市場の弱さに対応するため利下げを決定したとのことです。
FOMCの結果公表後にダウ平均は一時500ドルあまり上昇、ドル円は円高方向に動きましたが、パウエル議長の発言があまりハト派的でなかったので戻した形です。
18日発表の9月のフィラデルフィア連銀景況指数はプラス23.2と8月のマイナス0.3から大幅に改善。週間の米新規失業保険申請件数は23万1000件と市場予想を下回り、労働環境への懸念が後退。
また米国と中国の閣僚級会議が14日〜15日にスペインのマドリードで行われ協議では関税措置に加えて中国系の動画共有アプリ「TikTok」のアメリカ事業の売却などについて議論が交わされたということです。TikTokの米国事業の売却を巡りベッセント米財務長官が合意の枠組みが整ったと明らかにしました。その後トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は19日に電話協議をし、トランプ大統領は中国系の動画共有アプリTikTokの取り引きの承認などをめぐって進展があったと明らかにしました。加えてAPECにあわせて両首脳が対面で会談することやトランプ大統領が来年中国を訪れることとのことで米中貿易摩擦懸念が後退したことも寄与した模様です。
そして10月1日に迫る政府機関の一部閉鎖が懸念されるなかで米連邦議会下院が19日に「つなぎ予算案」を可決したと報じられたことも安心感となったのでは。トリプルウィッチングを迎え、テクニカルな買いも最高値に寄与した可能性も。
さて、先週は日経平均が初の4万5千円台をつけましたね!
今週の日経平均は週間で277円69銭の上昇
一時45852円75銭まで上値を伸ばす場面もありましたが、日銀金融政策決定会合の結果発表を受けて失速。
日銀の金融政策決定会合では市場の予想通り政策金利据え置き。関税政策のリスクの顕在化への不透明感や消費財、物価高の点検が必要とのことでしたが、政策金利の維持に2人が反対したことや、保有する上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)を市場で売却すると決定(サプライズは)されたことで、後場の日経平均株価は大幅に下落する場面も。
植田日銀総裁の講演では(15時30分からなので引け後)ETF売却方針については、24年3月に新規買い入れを停止。現在の価格水準をもとに決定したわけではないとしており、ETFの売却に要する期間は現行と同じペース(年間約3300億)だと100年以上かかる。市場に対する影響には配慮するとの内容。
※ 簿価ベースで単純計算すると現在の保有残高の簿価約37兆円を完全に解消するまでに約112年かかる計算です。ロイターではペースが変わる可能性がある懸念もと言うような報道がされてました。
質問で「全額売却は決まっているのか、着手したということなのか」というものに対して、ETFは淡々と100年以上かけて売っていくつもり、とのこと。(慎重姿勢?)
現在のボードメンバーの任期を超えた施策となることに対しては、引き継ぎを責任を持ってやっていくとの旨の返答がありました。
ETF売却についての市場とのコミュニケーションの考え方は?→事柄の性格上事前にガイダンスしにくいことであるとのお答え。
株価の水準には関係ないとしているものの、リスクプレミアムが非常に高まった時にETFの購入が寄与したとの認識を示されました。今はそうする必要がなくなったとの判断とのこと。
「何世代もかけて後始末をしなければいけない政策は許されるのか」という朝日新聞社からの質問には「許されたかということは私に判断できることではない、判断としてはこれから出てくる副作用も含めてこれからで評価するしかない」との答えでした。
日銀が保有するETFは2025年3月末時点で簿価37兆円、時価70兆円と巨額となっています。
経済の見通しについては7月の展望レポートから修正する必要はないとのことで「7月レポートでは経済は下振れリスクがそこそこ高いとの認識で依然としている」との認識とのこと。次回10月のレポートにも注目です。
また自民党総裁選では、高市早苗氏、小泉進次郎氏の講演も話題となっていますが、自民党総裁選は22日告示、10月4日投開票、10日の総務会で正式決定となっております。
ドル円は変わらず横ばいです。