週足チャートで【9月8日週の相場まとめ】
Ciao
先週の米市場は上昇。主要3指数は週末終値として全て最高値で引けています。
9月FOMCから始まる早期、かつ連続の利下げが意識されて長期金利は4週続落。さらにオラクル(ダウ平均の構成銘柄ではない)の好決算、AIデータセンターの需要増を受けた株価急騰から半導体関連、AI関連銘柄に買いが波及。
過剰流動性相場らしく、金価格も4週続伸。
経済指標を見てみますと、ニューヨーク連銀が8日に発表した8月の消費者調査で、現在職を失った場合に3カ月以内に再就職できると予想する割合が44.9%と前月の50.7%から低下した。8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回った後で、改めて労働市場の悪化が意識された形。
また米労働省統計局の年次改定で、2025年3月まで1年間の雇用者数を市場予想のほぼ上限となる91.1万人下方修正すると公表。過去最大の下方修正で9月の米利下げ再開がほぼ確実視されました。
10日発表の8月の米卸売物価指数(PPI)は8月の米卸売物価指数(PPI)が前月比マイナス0.1%と市場予想を下回り、
11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)前年同月比で2.9%上昇、変動の大きなエネルギーと食料品を除くコア指数は3.1%上昇と市場予想通りとなり、インフレが継続しているものの予想の範囲内でFOMCでの利下げを妨げるほどではないと取られたことや、週間の米新規失業保険申請件数が26万3000件と2021年10月以来の高水準で雇用統計から懸念される労働市場の減速を示す結果が利下げ観測を強めた模様。
12日発表のミシガン大消費者態度指数(速報値)は55.4と市場予想を下回ったほか8月の58.2から低下。2カ月連続の低下で、5月以来の低水準となりました。
1年先の予想インフレ率は4.8%と前月同様で5年先の予想インフレ率は3.9%と前月の3.5%から上昇しています。米消費者心理の悪化と粘着性のあるインフレの見通しは景気先行き懸念となる一方で利下げ期待につながったよう。
9月利下げはすでに織り込まれていましたが、今年(年内残り3回の会合)で合計の利下げ幅が0.75%になる確率が8割超に上昇しています。
年内何回の利下げとなるかが次の関心ごととなりそうです。
個別ではトランプ米政権の保健当局者が新型コロナウイルスのワクチンと25人の子供の死亡事例を関連付けて来週、米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会に提示する報告に含める予定だと報じられたことで製薬(なかでもワクチン)関連が軟調でした。
先週の日経平均は週足で1749円37銭と4%超の上昇。9日に初の44000円台に乗せました。
前週末に石破茂首相が、「自民党の総裁の職を辞することとした」と述べて退陣表明。過去を振り返ると2021年の菅首相辞任の際も日経平均が上昇しましたが、財政拡張期待もあって、今回も株高につながりました。
オラクルの好決算を受けて半導体関連のほかソフトバンクGが上昇。またブルームバーグが「日本銀行は、石破茂首相の退陣表明を受けて国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢だ。」と伝えており、メガバンクなど銀行株が上昇しました。
ちなみに自民党総裁選は22日告示、10月4日投開票、10日の総務会で正式決定となっております。
また投資部門別売買代金(9月1日~5日)は海外投資家が3週ぶりに買い越し、個人は3週連続の買い越しとなっており、まだ上目線かなと思っています。
ドル円はレンジ継続。
来週はFOMCに注目。利下げの決定は確実視されていますが0.50%のW利下げがあればポジティブサプライズとなるでしょう。