週足チャートで振り返り【9月1日の相場まとめ】 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

週足チャートで振り返り【9月1日の相場まとめ】

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先週の相場をご一緒に振り返りましょう。


先週の米市場は週足では主要3指数がまちまちの値動き。







米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが『29日、中国のアリババ集団が新しいAI向け半導体を開発したと伝えた。』と報じたことから値がさの半導体関連株が下落。アリババはエヌビディアの大口顧客で(エヌビディアの中国向けAI半導体H20は米政府による輸出規制の対象となっており米政府に中国での売上高の15%を納めることに同意しています。第3四半期(8-10月)の売上高は市場予想を上回っていますがH20の出荷分は含めていません。)、中国は自国の技術向上に力を入れているという事情があります。AI関連分野の競争激化懸念が重しとて意識されたようです。また米連邦巡回区控訴裁判所がトランプ米政権の相互関税などを憲法違反とした一審判決を支持、このまま違憲となれば歳入減→財政への懸念が相場の重しに。インフレと債務への懸念が再燃し、米長期金利が上昇したことに加えてドイツ、イギリス、フランスなど欧州でも長期金利が高水準となったことから不動産株や大手テック株、また半導体関連が週前半は軟調に。

ただブロードコムの好決算などから週後半は半導体・AI関連などハイテク株に押し目買いがあり反発しました。


経済指標を見ますと、米ISM製造業景況感指数は48.7と7月から0.7ポイント改善、米経済の堅調さを示す結果に。個別項目では「新規受注」が好調。また8月ADP雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比5万4000人増と市場予想を下回り、雇用が軟調→利下げ期待となったよう。

8月雇用統計は、

失業率 予想4.3%→結果4.3% (21年10月以来の水準)

非農業部門雇用者数 予想7.5万人増→結果2.2万人増

※ 前月分は小幅に上方修正、前々月分は小幅に下方修正。

平均賃金 予想前月比0.2%増→結果0.3%増

前年比予想3.7%増→結果3.7%増

非農業部門雇用者数が予想を下振れ(雇用不況との懸念も)労働市場の減速を示す結果となったことで米景気後退懸念が高まる一方で、9月の利下げ幅が0.5%となるのではと、さらに利下げ期待は高まったよう。

金は高値を更新!






先週の日経平均は週足で300円28銭の上昇。週末5日の日経平均株価は、前日比438円48銭高の4万3018円75銭と続伸。約半月ぶりに4万3000円の大台を回復しました。

米国の早期利下げ期待やトランプ米大統領が日米の関税合意に関する大統領令に署名したことも支えに。大統領令では自動車への関税を15%に引き下げることが盛り込まれたほか、幅広い品目に課される関税についても日米合意の内容が反映された(日本側の要望が通った) 形。

一方で米国の要求で米国への投資は総額5500億ドル、日本円で80兆円規模。コメを含めて米国の農産物を1兆円あまり輸入する見通し。

そして石破首相が先程の記者会見の冒頭で「自民党の総裁の職を辞することとした」と述べ、辞任の意向を表明。過去を振り返ると2021年の菅首相辞任の際も日経平均が上昇しており財政拡張期待もあって、今回も株高につながるのかなと考えます。また政治的な先行き不透明感は日銀が利上げしにくくなるのでは。総裁選前倒し→ハト派織り込む可能性→セオリー的には財政赤字拡大懸念、債券安、円安、株高か?注目です。