【6月9日週の相場まとめ】週足チャートで振り返りましょう。
Ciao
先週の相場を振り返りましょう。
週足で米主要3指数は揃って下落しました。
S&P500指数は節目の6000ポイントを回復する場面もありましたが地政学リスクの台頭が重しとなりました。
先月90日間で協議を進めることで合意していた米中の貿易協議が9日〜10日にロンドンで行われました。(ベッセント米財務長官、ラトニック商務長官、グリアUSTR代表が米国は参加、中国は何立峰副首相、王文涛商務相、李成鋼次官が参加)その結果5月にスイスで結んだ合意内容を履行するための枠組みで一致。米中貿易協議は進展したといえますが、中国のレアアースの輸出再開が6カ月の期限付きとなるなど懸念が残るほか、その前に期待感で買われていたからか影響は限定的でした。
また貿易関税については11日にトランプ米大統領が中国以外の貿易相手に対して「貿易協定の条件を示した書簡を1〜2週間以内に送る」と述べたと伝わっています。加えて7月9日まで相互関税の一部は停止されていましたが、猶予期間の延長について必要性はないとの考えが示されています。
パウエル議長の任期満了の2026年5月までまだありますが、後任人事に貿易交渉でも活躍したかたちのベッセント財務長官が浮上していると報じています。現在はトランプ大統領の信頼を得ているとされており、人事にも注目です。
経済指標を見てみますと、
米5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇と市場予想下振れ。
コアCPIも前年比で2.8%上昇と市場予想を下回りました。(前月比では0.1%、食品とエネルギーを除くコアは前月比0.1%とどちらも市場予想下振れ。)
5月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇と市場予想を下回ったことで前日のCPIの結果と併せてインフレ懸念が後退。
先行指標としても注目される6月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)は60.5と市場予想を上回り、6カ月ぶりに改善しましたが影響は限定的でした。
インフレ懸念後退や注目されていた30年債入札が堅調な需要を集めたことで米国債利回りが低下したことは株式市場の支援となりました。
ただ先週は中東情勢の緊迫化が相場の重しとなりました。
イスラエル軍が13日にイラン各地の核施設や軍事施設など100カ所以上の標的を攻撃したと発表、その大規模空爆に対してイランは核施設が被害を受けたことに対する報復としてイスラエルに向けて数百発のミサイルを発射。中東情勢の緊迫化を受けて株式市場はリスクオフの流れに。米原油先物相場は急騰。原油は週足では13%上昇、金も上昇しており、リスクオフの流れとなっています。(原油の上昇が続けば、インフレ懸念にもつながっていきます。)
1979年にイランで起きたイスラム革命により、イランがイスラエルを聖地エルサレムを奪った敵と位置づけてから40年以上にわたってイランとイスラエルは対立してきました。ガザ侵攻後に対立はエスカレート、これまでもミサイルの応酬はありましたが、今回の大規模空爆大に対してイランが報復、週末に攻撃を繰り返している事態となっています。
アメリカとイランの核協議の進展が疑問視されるなかでイランは15日に予定されていたアメリカとの核協議に参加しない意向を示したと報じられており、今後の展開によっては、今週の相場は大きく下落する可能性もあるので注意してください。
先週の日経平均は週足で92円64銭の上昇でした。6月メジャーSQ値は3万8172円67銭となっています。
今週は16、17日の日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の会見に注目です。G7サミットの開催も。ニュースもしっかりいつも以上にチェックしたい1週間となりそうです。