【6月2日週の相場まとめ】週足チャートで振り返りましょう。
Ciao
先週の相場を振り返りましょう。
先週の米市場は週足で主要3指数は上昇。
週足でダウは1.17%の上昇でした。
先月末30日にトランプ大統領は自身のSNSで「中国は米国との合意に完全に違反した」と投稿、不満を表明していたことで米中貿易摩擦懸念が意識されていましたが、レビット米大統領報道官が、トランプ大統領と習近平国家主席が週内にも協議する可能性が高いと述べたことや、一部の中国製品に対する関税の適用停止の期間を延長したと報じられていましたが、
先週トランプ大統領と習近平国家主席の電話協議で貿易関税の交渉が前進するとの観測が広がったほか、米政権が貿易相手に4日までに交渉に関する最善の提案を提出することを求めていると報じられ、貿易相手との交渉が加速するとの観測で貿易交渉進展期待が相場の支えに。
4日午後1時すぎに発動したトランプ大統領の鉄鋼・アルミニウム製品の追加関税を50%に引き上げ(交渉合意をすでにしているイギリスについては今回の関税引き上げの対象から外すとのこと)るとの関税政策は相場の重しとして意識されたようですが、ただ米国では最近関税政策に対してTACOという「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビってやめる)」の頭文字をとった言葉が出回っており、強い方針の提示のあと緩和案が出されるとの見方になっているようで(貿易関税が引き上げられてもいずれ戻すだろうと言う楽観視が台頭している)S&P500の週末終値は6000.36ポイントと2月21日以来の高値を付け6000台の節目を回復。最高値まで僅かのところまで迫っています。
ただTACOと言われることをトランプ大統領が受け入れるとは思えないので強硬的になる可能性も頭においておいた方が良いかと思います、加えてトランプ米大統領とテスラCEOのイーロン・マスク氏が互いに批判を繰り返していて関係に亀裂が入っていることからテスラ株が下落したことは気掛かりです。
米国と中国は9日にロンドンで協議する模様ですが進展がどうなるか注目です。
経済指標を見てみますと、
5月のISM製造業景況感指数は48.5と前月の48.7から悪化し、節目の50を引き続き割り込む結果に。
5月のADP雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比3万7000人増と市場予想を大きく下ぶれ、5月の米ISM非製造業景況感指数は49.9と市場予想を下振れ、節目の50を割り込んでおり、貿易関税への米景気への悪影響が懸念されている状況といえる結果でした。
米連邦準備理事会(FRB)が4日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、前回の報告から経済活動は「わずかに減速した」と総括。見通しについてもわずかに悲観的だとまとめています。また週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、労働市場の減速を示す内容で、米国景気の先行き懸念が嫌気されました。
しかし5月の米雇用統計では失業率が予想4.2%に対して結果が4.2%、非農業部門雇用者数が予想13.0万人増に対して結果13.9万人増(前回結果は下方修正)、平均賃金は前月比は予想0.3%増→結果0.4%増、前年比は予想3.6%増→結果3.9%増と懸念されていた労働市場の底堅さを示しす結果だったことは支えとなったよう。
先週の日経平均株価は、週足で223円49銭の下落です。明日は日本の1-3月期GDP(2次速報値)の発表のほか、先行指標ともいえる内閣府発表の5月景気ウォッチャー調査も注目です。日米貿易交渉をめぐってはG7サミット(15日から17日開催)で日米首脳会談が行われる可能性が高いとされていますので、引き続き注視してまいりましょう。