【週足チャートで】3/31〜1週間のまとめ | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

【週足チャートで】3/31〜1週間のまとめ

Ciaoニコニコ


先週の相場を振り返りましょう。


3月のダウ平均は2カ月連続で下落、月足で約1839ドルの下落。ナスダックも大きく下落しました。そこからさらに先週の米主要3指数は揃って下落しています。

週足でダウ平均は約7.9%の下落、ナスダックは10%超えと全体として暴落した週となりました。トランプショック?貿易関税ショック?の初動でしょうか…。

ナスダックは高値から20%超下落で弱気相場入り。マグニフィセントセブンも全てが弱気相場入りとなりました。







トランプ米政権による貿易、関税政策の先行き不透明感、関税によってインフレ加速や米消費鈍化などリセッション懸念や不確実性への警戒感が継続しており、

前週末はPCEコア価格指数などの結果でインフレ懸念や、ミシガン大消費者信頼感指数の軟調や期待インフレ率の上昇から、物価上昇の一方で景気は停滞するというスタグフレーションの状況が懸念されるなかで、

半導体を巡っての米中の対立や規制も意識されていました。

今週はトランプ米大統領が輸入される自動車などに25%の追加関税を課すとする文書に署名(4月3日発動)。

またトランプ大統領のローズガーデンの演説で相互関税について、巨額の貿易赤字はわれわれの生活を脅かす国家非常事態に当たるとし、関税措置が米国の黄金時代につながると強調。

全貿易相手国、地域に10%、中国に34%、欧州連合(EU)には20%を課すとしており、想定より厳しい内容の貿易関税の内容であったことが相場をリスクオフに傾けました。

さらに中国が4日に米国の相互関税への報復措置を発表。中国は米国からの全ての輸入品に34%の追加関税をかけるほか、レアアースの輸出規制といった相互関税への報復措置を発表しています。またトランプ米大統領は半導体と医薬品を対象にした関税を近く発表するとの考えも示しています。

貿易摩擦の激化、世界経済成長鈍化への警戒感から週末の米市場は大きく売られ、ダウ平均は前日比2231ドル07セント安の3万8314ドル86セントと大幅に続落。4万ドルを割り込む展開で一気に調整局面入りとなりました。


経済指標では1日発表の3月のISM製造業景況感指数は49.0と、市場予想や前月の50.3を下回ったほか、活動の拡大と縮小の境目を示す節目の50も下回りました。新規受注の指数は45.2(前月は50.7) 、

雇用指数は44.7(前月は47.6)と前月をそれぞれ下回る低調な結果だった一方、仕入れ価格指数は69.4(前月は62.4)に上昇し、インフレ圧力を示す結果となりました。


また3月の米雇用統計は、失業率予想4.1%→結果4.2%、非農業部門雇用者数予想13.5万人増→結果22.8万人増(前回値は15.1万人→ 11.7万人に下方修正)、平均賃金の予想は前月比予想0.3%増→結果0.3%増、前年比予想4.0%増→結果3.8%増、非農業部門雇用者数が大幅増だった反面、失業率は悪化しており、まちまちの結果となり、影響は限定的(というか貿易摩擦の影響の前では軽微)。パウエル議長は今後のデータや見通しを見極める姿勢を崩さず、早期利下げへの期待ができなそうであることも重しに。

現状ではまだ下落が続きそうな状況で、トランプ大統領の次の打ち手が待たれる状況かと考えます。


先週の日経平均株価は週足で3339円75銭安。日本に24%の関税がかけられることから大きく崩れました。為替市場でドル円が1ドル=145円台とドル売りとリスク回避の円買いと見られる値動きをしたこと(円高)も重しに。





日経平均先物も大きく下げており、来週のブラックマンデーは確定したような状況かと思います。

さて、今年はボラタイルとお伝えしていましたが、急落が来ましたね。昨年の夏の下げのような株価のV字回復は、貿易関税についてはこれから半導体と医薬品を対象にした関税が発表されることもあり見込めないのではないかと思いますが、トランプ大統領の言動次第というところもあるので対処の準備をしながらピンチをチャンスに変えていきましょう。

1987年のブラックマンデーでは約30%、2007年の世界金融危機の際には相場は50%下落していますので、そこも想定しながら資金管理することが大切かもしれません。個人的にはすぐにではないけれど、トランプ氏の政策によって(少なくとも米市場は)急騰するタイミングが遠くなく来るのではないかと思っています。