【週足チャートで】先週の相場を振り返りましょう。
Ciao
先週の相場を振り返りましょう。
先週の米市場は反発。
米国の関税政策やそれに伴う不確実性、政府支出の大幅削減、物価の上昇や景気の悪化への警戒感は継続。
ただ貿易関税懸念一服やFOMCの政策金利は予想通り政策金利を4.25〜4.5%で据え置く決定となりドットチャートでは年内50BP(2回)の利下げの見通しを維持したこと、パウエル議長はインフレに過度な懸念はなく利下げを急がない姿勢を示したもののタカ派ではないと取られたことが市場の安心感につながったようです。
経済指標をみますと17日発表の2月の米小売売上高は前月比0.2%増と市場予想を下回ったものの、自動車・同部品を除くと0.3%増と市場予想通りで、直近で景気指標が軟調だったことで相場の重しとなっていた個人消費、米景気先行きへの懸念が後退したよう。
18日発表の2月の米輸入物価指数は前月比0.4%上昇。市場予想を超える結果でインフレ懸念に。
3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は12.5、中古住宅販売件数は前月比で4.2%増とともに市場予想を上振れ、週間の米新規失業保険申請件数は22万3000件と市場予想を下回っており、景気と雇用がともに堅調さを示す結果となっています。
トランプ政権の関税政策を巡り、貿易摩擦の激化やトランプ大統領のSNSの発信など不確実性に対しての警戒感があり、米政権の関税政策による悪影響の影響からOECDは2025年の米経済成長率の見通しを下方修正しています。
地政学リスクも意識されています。
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は18日に電話協議したものの30日間の停戦に応じていないとの報道。
また18日にはイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃を再開したと報じられ、
「イスラム組織ハマスとの停戦協議が行き詰まる中、イスラエル軍が再開したガザ地区への攻撃でこれまでに600人以上が死亡するなど犠牲者が増え続けている」との報道も。
ゴールドは週足で上昇トレンド継続です。
先週の日経平均株価は週足で623円96銭の上昇。3月末の配当や優待権利取りも意識されたのでは。
日銀金融政策決定会合では、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%に維持することを全会一致で決定。
植田日銀総裁は会見で春闘の初回集計が昨年に続き高水準となった(賃金の動向についてオントラックの中でやや強めと発言)、賃上げの動きが広がっていることに言及し、
経済・物価が今後も順調に推移すれば金融緩和度合いを調整していくと状況を確認しながらも引き続き利上げを進めていく方針を改めて示したと言えます。トランプ米政権の関税政策については不確定なところが非常に大きいとしています。
2月の全国消費者物価指数は前年比3.0%上昇で4カ月ぶりに前月から縮小。ただ縮小したのは電気・都市ガス代への政府補助金が再開されたことが主な要因となっており、日銀のインフレターゲットである2%を35カ月連続で超えており、エネルギーを除くコアコアCPIは2.6%上昇と前月より拡大しています。
また先週は半導体材料事業のJX金属が新規上場しましたね。2018年のソフトバンク以来の大型案件で売り出し総額は4390億円、初値をもとにした時価総額は7800億円余りと、去年10月の東京メトロに次ぐ今年度2番目の規模となる大型上場となりました。
加えて気になるニュースとしては日本証券業協会がNISAの累計投資額が2月までに56兆円超に達したと発表、政府の資産所得倍増の目標より3年近く前倒しで達成しており、投資への関心の高さというのが感じられる結果となったのでは。
そしてNISAにおける投資のほとんどは、米国株価指数やオールカントリーなど海外の商品が多いことを考えると、積み立て投資も含めて実需の円安要因と考えられます。貿易赤字や、デジタル赤字など実需で外貨を必要とする事情を抱えていることを考えると中長期的に円安方向に行く可能性は考えておいた方が良いと個人的には思っています。