【週足チャートで】先週の相場を振り返りましょう。
Ciao
先週の相場を振り返りましょう。
先週の米市場は下落、週足で主要3指数は揃って1%以内ではありますが下落となりました。
週明けはトランプ米政権がカナダやメキシコ、中国に対して大幅な関税措置を発表したことで、米国のインフレ高進や、FRBによる利上げ観測も急浮上し、リスクオフの流れに。アジア市場で日経平均は1000円超の下落となりました。
ただカナダの輸入品に対する関税強化の措置の延期やメキシコへの関税発動も1カ月遅らせることで合意する一方で4日から中国の追加関税が発動、中国が報復措置を打ち出す見通しであることから米中貿易摩擦の悪化への懸念が重しに。米国の関税政策に翻弄される形となりました。(ディープシークショックは一巡したように見えます。)
経済指標を見てみますと、米1月ISM製造業景況指数は50.9と、予想を上回り好不況の分かれ目である50も上回りました。
JOLTS求人は760.0万件と予想も前回値も下振れ。
7日発表の1月米雇用統計は、失業率は予想4.1%に対して結果は4.0%、非農業部門雇用者数は予想17.2万人増に対して14.3万人増でしたが、前月分が30.7万人増に上方修正されているので実質増加と言えることなどから労働市場の底堅さを示す結果と取られたよう。
加えて2月の米ミシガン大消費者調査(速報値)で1年先の予想インフレ率が前月比1.0ポイント高の4.3%とインフレが高進するとの結果となったことで、長期金利が上昇しました。
英中銀(BOE)は金融政策を発表し、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げました。委員のうち2名が0.5%大幅利下げを主張していたことが判明し、サプライズとなっています。
さて注目された7日の日米首脳会談後の共同記者会見ではトランプ大統領が貿易相手国から課される関税率と同じ関税を課すという相互関税を導入、新たな関税措置は来週前半にも説明するとしています。関税により米国でインフレ再燃、利下げが難しくなるとの警戒感が相場の重しとなったようです。
日本についても日米相互に関税を課すとの認識です。石破首相は首脳会談後の共同記者会見で、米国の雇用拡大や経済成長に日本が貢献していくことをアピールし、日米の経済関係を巡り「日本の対米投資額を1兆ドル規模まで引き上げたい」との意向をトランプ氏に伝えたことを明らかにしたと報じられています。2027年までに防衛費を倍増する見通しであるほかLNGの購入を増やすこと、AIでも共同で投資と開発を拡大する見込みです。
日本鉄鋼(5401)についてはUSスチールの買収ではなく多額の投資と援助で合意。
トランプ大統領と石破茂首相と和やかに記念撮影した様子が報道されています。
先週の日経平均は週足で785円47銭の下落。
一方で円高の影響を受けにくい内需関連株中心の東証グロース市場250指数は4日続伸で年初来高値を連日で更新し週足でも上昇しました。
日銀田村審議委員が25年度後半に少なくとも1.0%程度まで短期金利を引き上げると発言したことなどから市場は来年1月くらいまでに2回の利上げを織りこんできている模様。日銀のタカ派スタンスや12月毎月勤労統計で実質賃金が前年比+0.6%、現金給与総額が+4.8%と市場予想を上振たことで日銀が利上げするのではとの憶測で円高進行したことも相場の重しとなりました。
個別では値がさの東京エレクトロン(8035)の前日発表の25年3月期第3四半期決算で最終利益は68%増と第3四半期では過去最高を更新、25年3月期通期の見通しについては従来予想を据え置き、AIなどの旺盛な需要があるものの期待値がそもそも高いことでWFE(半導体前工程製造装置)の24年の暫定実績が期待に届かないと取られるなど株価が4%超下落。
トヨタ自動車(7203)の第3四半期決算は売上高、純利益ともに第3四半期として過去最高、通期の業績予想も上方修正し株価も上昇しました。
ホンダ(7267)と日産自動車(7201)の経営統合協議に関しては協議を打ち切る方針で統合交渉は破談となったようです。