先日大連に出張しましたが、その時時間があって旅順に行って来ました。
帰国してもう少し日露戦争について詳しく知りたいと思う気持ちが強くなり、
舛田利雄監督の「二百三高地」を観てみました。

制作されたのは1980年。その頃はCGはなく、この壮大なスケールはすごいの一言です。
日露戦争時の日本軍は総勢20万人、ロシア軍は300万人。まったく勝ち目のない戦いに大国の帝国主義による植民地化を防ぐため、果敢に挑む日本と日本人。
見ていて本当に感動ものです。
感動したシーン1
伊藤博文を演じる森繁久弥が米国との友好関係をロシアのそれより強く築くよう金子堅太郎を演じる天地茂に告げる。
しかし、金子はとてもそれは厳しいとの進言を伊藤にするが、
伊藤は「君は成功しようとするからいかんのだ!!命を懸けるんだよ、金子君。わが博文も命、そして築いてきた地位、財産、名誉を全てをなげうって日本の為に尽くしたい、なぁ、金子君!!」と説得し、金子は気概をもって立ち上がる。
一度築いた幸せをなげうつのがいかに難しいか、このセリフは今の日本人に対する言葉と置き換えても過言ではない程、凄く重みがあると思います。
乃木希典演じるは仲代達也。
乃木希典は乃木の軍事精神といわれる程、攻略においては一つの美学を持っていたのではないか。
それは戦士としての武士道に近い美学。そして乃木は情に厚く、部下には本当に慕われていたらしいです。それ故か、乃木は非情な判断が出来なかったという視点でこの映画は描かれています。
ロシアが築いた要塞に対して繰り返す、3度の無謀な正面突破。実はこの正面突破には賛否両論がありますが、どうもこの映画は「坂の上の雲」で司馬遼太郎が唱える乃木の判断に対する疑問という立場を取っているようで、
軍隊に駆り出され最前線で苦悩する小隊長で、石川出身の教師の小賀武志を演じるあおい輝彦を通じてそれを描がいています。
感動したシーン2
小賀が抱く乃木の何度となく正面突破を繰り返す攻略方法に対する怒りと犠牲になっていく最前線の同胞を指揮する苦悩から発せられた言葉。
「最前線の我々は生きるか死ぬかしか考えない。そして死んでいくものには、国家、軍司令官、命令、軍規、すべてとも無縁である。部下たちの苦痛を考えると、乃木の軍事精神で人を救えるのか!!」
感動したシーン3
そして、児玉源太郎を演じる丹波哲郎が最前線に乗り込み、要塞攻略に拘る乃木の攻略変更をそして203高地の攻略をする様指示する時のセリフ。
※乃木は砲弾の供給が十分でなかった事と203高地攻略を考えていたともされている。また、奉天開戦に備え要塞を叩いておかなければ背後から狙われるので固執していたともされている。
「乃木、お前に斟酌している暇などない!!ただワシはこの戦争に勝つ事だけ、それだけしか考えていないんだ!!」
難攻不落の軍港である旅順を落とすのは、港の外からは落とせなく、陸地から落とすしかないのは(写真の手前側)現地をみれば明白です。
ですから日本軍総司令官の児玉源太郎はそのターゲットを203高地としたのです。
そしてこの映画は本当に出演者が豪華です。
小賀の恋人松尾佐知を演じる夏目雅子。本当に絶世の美女であると感じました。
そして明治天皇演じる三船敏郎、そして上泉徳弥を演じる若林豪、児玉源太郎を演じる丹波哲郎、全て迫力の演技で、今の俳優にない、重さを感じます。本当に迫真の演技です。
そして、最後に今の日本は過去に死をいとわず国の為に尽くした多くの犠牲者の方々のうえに成り立っているという事を我々は決して忘れてはなりません。
こちらの写真は乃木が建てた犠牲者に対する遺影塔です。
如何に幸せにうかれ、今の作品が薄っぺらいか…
まさに温故知新な名作です。

