3月くらいからずーっと続いていたオーディション、ちょっとだけひと段落しました。


オペラ歌手をやっていると『やりたい作品』、『やりたい役』みたいなものがたくさんあり、そういった役はもちろんみんなやりたい訳です。その場合はオーディションがあれば挑戦して、縁があれば勝ち取れるわけなのですが、コロナ禍に入ってから大きな団体のオーディション以外はかなり少なくなり、直接声をかけて頂く仕事で頑張っていく形になって結構長くなります。今年はかなりオーディションが復活して、『やりたい役』もたくさん!というわけでたくさん挑戦しておりました。


最近は頂いた仕事が既にあったりして受けられなかったり、音源審査で落ちて笑本審査に進めなかったりしたので対面でのオーディションもなかなか行けなかったのですが、この春はいくつか対面まで進めたので、嬉しい事ではありましたが、とにかく緊張がやばい…!若手の頃は先輩ばっかりで緊張、コロナ禍の手前の時期は同世代の仲間達と争うことも増えてきて緊張、世代の移り変わりも感じていましたが、今年のオーディションはとにかく僕より若い人が多くて一世代じゃ効かない位若手の皆さまが受けておりました。


逆に同世代のみんなは随分減ってきていて、会えると嬉しい…!同期達は既にポジションを確立してきたり、既に仕事が重なっていたり、もうオーディションを受ける事を辞めたり、色々と変わって来ているなぁと考えさせられました。そんな若い人ばっかりの中でめちゃくちゃ緊張してしまう自分笑久々の大きなホールでの対面オーディション、とにかく緊張して悔いの残るオーディションになってしまったりもしばしば。いつまでこんな事をしているのだ…と思ったりもします笑


悔いの残る演奏のあと、伴奏をしてくれた妻にあそこがダメだっただの、上手く声が乗らなかっただの色々反省だかボヤきだかを呟いて、「こういう状況でもしっかり歌わなきゃ駄目だな」と言ったら黙って聞いていた妻が「いや、そういう考え方がダメだろ。オーディションでしっかり歌う事考えて、音楽する事を考えてないじゃん。だから声の事ばっか考えた歌になっちゃうんだよ」と一言。そして「もっと演奏を楽しんで。オーディションなんて大した事じゃないんだから」…たまに良い事を言う妻。ありがたいお言葉。


こんな事があった後に歌ったオーディションでは落ち着いて歌えたりしました。持つべきは肝の座った奥様ですね。結果はまだ分からないのもありますが、良い報告になる事を祈りつつまた自分を高めていきたいと思います。



固い話だったのでうちの可愛いわんこの写真でお別れです。ではまた