暗い話は置いておいて、今回歌う《カルメン》の闘牛士の歌を歌うエスカミーリョ、実はオケ付きのオペラ公演で初めて演じた役であります。その後、コンサートなどでは何度も歌わせていただきましたが、バリトンとしてはめちゃくちゃ何度も歌う曲で、その度に難しさを感じる曲でもあります。昔やったとき、動き回ったり歓声に応えたりしながら出てきたら、完全に三枚目の雰囲気になってしまい…オペラ研修所同期の友達に相談したら『二枚目は周りが動くから自分は動いちゃダメ。歓声が当然と思わないと』とアドバイスをもらい、なるほどなと思った記憶が。でも今回は合唱もいないから周りが『よ!イケメン!』って助けてくれないし…笑華やかながら男らしいカッコいいアリアなので音楽に助けてもらいつつ今回も楽しく歌いたいと思います。
二部で歌うのは《道化師》から、冒頭の『プロローゴ』とヒロインのネッダと浮気男シルヴィオ君の二重唱です。プロローゴは先日レアーレ先生の思い出を投稿しましたが
やはり思い出深い、というかバリトンにとっては大きすぎる曲です。本当に素晴らしい曲で。多くの名歌手の演奏が頭にこびりついてます。いかに自分の声で歌えるか…。でも昔の名歌手みたいにカッコよく歌いたいですな。
シルヴィオ君は4年程前に歌いました。バリトンには珍しいめちゃくちゃ甘〜い愛のデュエットです。バリトンにももちろん二枚目役はありますが、バリトンの二枚目は『俺のこと、好きなんだろぉ』みたいな渋いキャラが多く、女性から寄ってきてくれる役が多い(偏見か笑)のです。僕は二枚目役はあまりやらないのでどちらにせよ難しい事に変わりは無いですが、シルヴィオ君はテノールの様な直情的に真っ直ぐにネッダに気持ちを投げかけます。なんとも珍しい。。。濃厚で情熱的に歌えると良いなぁ。
懐かしの調布のパリアッチです。
僕の歌う曲以外も濃いめの名曲ばかりです。聞き応えのあるコンサートになりそうです。個人的にはやはりプロローゴをオケで歌える機会はそんなにないし、そもそも歌う勇気が無いので笑良い機会を頂いた事に感謝しつつ頑張って練習しています。
是非とも!とは言いづらい状況ですが、感染対策を万全にしてお待ちしております。宜しければ、お越しくださいませ!
以下詳細
荒川区民オペラ 夏の特別演奏会
4つの名作からの スペシャルガラコンサート
2021年8月15日(日)
サンパール荒川(大ホール)
14:00開場 15:00開演
入場料:2,000円(全席自由・前売りのみ)
ソリスト:
西本 真子(Sop)
河野めぐみ(Mez)
相山 潤平(Ten)
野村 光洋(Br)
指 揮:小﨑 雅弘
管弦楽:荒川区民交響楽団
プログラム
●第一部
ジョルジュ・ビゼー作曲
「カルメン」より
前奏曲
手紙の二重唱「母のたよりを聞かせてよ」
セギディーリャ「セビリャの城壁の近くに」
第2幕への間奏曲(アルカラの竜騎兵)
闘牛士の歌「諸君らの乾杯を喜んで受けよう」
花の歌「お前の投げたこの花は」
第3幕への間奏曲
ミカエラのアリア「何を恐れることがありましょう」
第4幕への間奏曲(アラゴネーズ)
フィナーレ
●第二部
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ作曲
「道化師」より
前奏曲とプロローグ
間奏曲
ネッダとシルヴィオの二重唱
ピエトロ・マスカーニ作曲
「カヴァレリア・ルスティカーナ」より
前奏曲とシチリアーナ
サントゥッツァのアリア「ママも知るとおり」
間奏曲
ウンベルト・ジョルダーノ作曲
「アンドレア・シェニエ」より
マッダレーナのアリア「亡くなった母を」
シェニエのアリア「五月の晴れた日のように」
マッダレーナとシェニエの二重唱「貴女のそばでは、僕の悩める魂も」