朝、何人かの方がイタリアの名テノールのジャコミーニが亡くなったと投稿していた。80歳だったみたいだ。マジか。びっくり。僕が大学3年の時国立音大に公開レッスンをしに来ていて大学の小さなスタジオがいっぱいになっていたことを思い出す。確かその時は日本にオペラの公演で来ていたはず。全然響かないスタジオだったのに、お手本でジャコミーニが歌うと信じられない位響いた。当時の僕は何かよく分からずとにかく『ジャコミーニ凄え!超声でけえ!』と思っていた。



その時期か後か忘れたけど同じくらいだったと思うが新国立劇場の《道化師》の公演に出演していて、僕は当日券並んで1500円で舞台が全部見えない1番上の階で1番端っこで1番奥の席を取り観に行った。その時の公演もとんでも無く印象に残っている。というかジャコミーニの声がとんでもなかった事以外はシルヴィオという浮気男がチャリンコで入ってきた事以外覚えていない。


よく考えたら僕の大学時代は2004年くらいでまだ20年経ってない。その頃既に60歳越えてんじゃん…テノールで歌手としての寿命が短いであろう声質だったであろうに…今考えるととんでもないなぁ。その時の公演も他のキャストの事をぶっ潰すくらいとんでもない存在感と圧倒的な歌唱でした。


大学でオペラが大好きになって好きな歌手のDVDやLDを図書館で借りて観まくっていた時にヴェルディの《運命の力》のアルヴァーロ役で歌っていたのを何回も観た。当時も大好きだったバリトンのヌッチと決闘してるシーンはカッコ良すぎて興奮して感動して、こんな声出ねえなって落ち込んで簡単そうに歌いやがってってよく分からんけど悔しくなって何度も何度も観た。カッコ良すぎてバイト代で同じDVDを買ったりもしました。本当カッコよかったなぁ。


憧れた時代の歌手はどんどんいなくなっていく。寂しいなあと思いつつ当時観まくってたシーンをYouTubeでまた観てしまいました。





Duetto - La Forza del Destino - Verdi"Col sangue sol cancellasi...Le minaccie, i fieri accenti..." Duet bewtween DON CARLO and Don ALVARO in Verdi's - La Forza del Destinoリンクyoutu.be