混迷を極めるウクライナ情勢ですが、北部戦線の再開及びベラルーシが参戦するかどうか、そして戦術核を使うかどうか、が今後の戦局を見ていく中で重要な指標となってくるでしょう。添付動画は豊島晋作氏の最新(2022/10/18時点)のウクライナ情勢分析であり、必見です。
まず、プーチン大統領には11月のG20までに状況を好転させたいとの思惑があります。
このままでは国境まで押し戻されて、クリミア半島まで奪還され、さらにウクライナからは国交断絶の上にNATOに加盟されて手出しができなくなって終戦を迎えるというのが今後を見据えた最も無難な青図になるでしょうが、ベラルーシの参戦と北部戦線の戦端を再度開けば、ウクライナは東部や南部から兵力を北の国境防衛に回さざるを得なくなります。
ただ、通常戦力での巻き返しは正直言ってもう不可能に近く、そうなると懸念されるのがプーチン大統領が戦術核を使用するかどうか、使うならそのタイミングはいつなのかという話になってくると思います。
まず、国境付近での核実験を行い、続いて戦術核でザポリージャ原発を狙う、くらいまでは現実的に起こり得るので怖いですね。
もし核が使われた場合、NATOは、通常戦力によって黒海艦隊を含めたロシア軍を全て殲滅すると宣言しており、これは核のエスカレーションを抑止しつつもロシアの敗北を強制的に確定させる事を意味しています。
ただ、確かにプーチン大統領の思惑がどうなっているのかは本人以外知る由もないですが、状況を好転させる材料が核以外に無くなりつつあるというのも間違いないと思います。